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BCN、IBM SoftLayerの事例と操作を学ぶハンズオンセミナーをシリーズ開催
2015/04/17 18:59
今回のセミナーのメイン・スピーカーとして登壇したのは、JBCCクラウドイノベーション事業部の小原鉄仁氏だ。同氏は、SoftLayerで構築したサービス例として、クラウド型デジタルサイネージシステム「mot! VISION」を披露した。
mot! VISIONは、Webブラウザからアクセスする管理画面と、映像コンテンツを受信・再生するターミナルから成り、例えば、チェーンストアの本部からの操作で全店舗のサイネージ内容をコントロールできるといった特徴がある。サービス料金は運用台数に応じた月額制となっており、1拠点での利用であれば1か月数千円で利用できる。
デジタルサイネージの仕組みでは、コンテンツの配布にUSBメモリ等のメディアが利用されるケースが一般的だった。このような仕組みの場合、各店舗の従業員がコンテンツの更新作業を行う必要があり、更新忘れといった人的ミスの発生リスクが高まるほか、予定外のコンテンツ更新への対応が難しいといった問題があった。しかし、クラウド型のmot! VISIONへの移行で、全店舗の放映状況が本部から確認・更新できるようになり、店舗でのミス・負担を排除してかたちで、コンテンツのスピーディな更新・切り替えが可能になる。
またSoftLayerの場合、そのサービスを支える各国のデータセンターが高速な専用線で結ばれているほか、データの送信料金が仮想サーバーの場合で1台あたり月間5TBまで、ベアメタル(サービスとして利用可能な物理サーバー)で同20TBまで「無料」という特徴がある。
そのため、mot! VISIONのような動画系サービスを構築しても、パフォーマンスやコストを気にかける必要がほとんどないという。JBCCでは、同社がメインのビジネスとしている業務系システムと、今回のようなコンテンツ系サービスとの連携も視野に入れており、例えば、前日の売上上位の商品を自動的にピックアップし、サイネージでアップセルを図るといったソリューションの開発・提案を進めている。
小原氏は、ベアメタルと仮想の両サーバーを統合的に利用できるSoftLayerの利点にも言及しながら、「将来的には、基幹系システムの基盤もを含めて、すべてをクラウド化していきたい」(同氏)との意欲を示した。
続くハンズオンセッションでは、JBCC クラウドイノベーションセンターの長門祐介氏が講師として登壇。SoftLayerのトライアルアカウントを利用したサーバー構築・設定の基礎演習が一時間にわたり行われた。演習終了後には、長門氏と熱心に話し込む参加者も少なくなく、クラウド、そしてSoftLayerに対する関心の高さが改めて実感された。
なお、今回のセミナーでは、週刊BCN編集部の本多和幸記者も演壇に立ち、メディアの視点からクラウド市場の動向や、IBMの事業戦略におけるクラウドサービスの位置づけなどを解説。企業向けのITビジネスを展開するうえでの「クラウド活用の重要性」を、客観的な分析にもとづきながら説明している。
なお、同セミナーの2回目は、4月22日15時より同じくBCNアカデミールームで開催される(http://www.seminar-reg.jp/bcn/softlayer_handsonsem2/)。登壇するIBMパートナーはミライト情報システム。
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外部リンク
ニーズにこたえる売り手を目指す、クラウドキャッチアップセミナー=http://www.seminar-reg.jp/bcn/softlayer_handsonsem2/
日本アイ・ビー・エム=http://www.ibm.com/jp/
SoftLayer=http://www.ibm.com/cloud-computing/jp/ja/softlayer.html