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テコラスのネット通販システム事業 クラウド移行で“ハブ・エンジン”化 「間接販売重視」を掲げる
2015/04/02 18:59
週刊BCN 2015年03月30日vol.1573掲載
TEMPOSTARは、ネット通販システム開発会社の旧SAVAWAYの事業を統合したもので、データセンター(DC)運営をメインとするテコラスと、テコラスの親会社でゲーム事業などを手がけるNHN PlayArtとの相乗効果は、次の3点に集約できる。一つ目がテコラスのDC運営ノウハウを駆使したクラウド基盤の強化、二つ目がNHN PlayArtのオンラインゲーム事業で培ったピーク時対応の技術力、三つ目がグローバル市場進出に向けた足がかりの確保だ。三つ目は、まだこれからの課題ではあるものの、NHN PlayArtの親会社が韓国大手IT会社のNHN Entertainmentであり、中国や米国などで事業会社を展開していることから「早い段階でネット通販事業でグローバル対応を進めていく」(NHN PlayArt社長で、テコラス取締役も兼務する稲積憲氏)考えを示す。
だが、一つ目と二つ目はすでに効果が具体化しており、その第一弾として今年2月の刷新タイミングで、クラウドへの全面移行を実施した。
ネット通販では、ユーザーの自社店舗とAmazonや楽天、Yahoo!ショッピングなど大型ショッピングモールへの出店といった“多店舗展開”が基本戦略となる。例えば大型ショッピングモールで商戦期に合わせた「販促キャンペーン」が始まれば「ユーザーによってはシステム負荷が10~20倍にも高まるが、TEMPOSTARのクラウド基盤はこうした負荷に十分に対応できる柔軟性、拡張性を備えた」(テコラスの中井健司・専務執行役員)と胸を張る。クラウドへ移行することでコスト低減も実現しており、ネット通販を手がける小売業ユーザーへの課金も月額1万円からに抑えた。
また、旧SAVAWAYは「直販主体」だったが、リニューアル後は、「SIerが提供する基幹業務システムとネット通販をつなぐ“ハブ・エンジン”として活用してもらたい」(中井専務)として、SIerをビジネスパートナーと位置づけ、協業関係を拡大する。ネット通販特有のシステム負荷の激しい増減はTEMPOSTARのサービス側で吸収し、基幹業務システムへの影響を限りなく少なくする効果が期待される。
TEMPOSTARの2014年の取扱い流通総額は1869億円で、ここ数年は年率平均15%で伸びている。2015年は同総額2000億円を突破することは「ほぼ確実」(中井専務)で、これまでと同様の高い成長維持を目指す。(安藤章司)
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