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GMOクラウド 地方市場への進出を本格化 パートナー獲得も並行して推進

2015/01/29 18:54

週刊BCN 2015年01月26日vol.1564掲載

 GMOクラウド(青山満社長)は、主力とするクラウドサービス「ALTUS(アルタス)シリーズ」事業の重点施策として、地方市場における販路拡大を推し進める。同社は東名阪の大都市圏での営業力には定評があったが、「大都市圏以外では手薄な部分があった」(荻野勇二・営業部セールスセクションセールスマネージャー)とみており、主力の「ALTUS」をテコに全国レベルでの販売力の底上げを2015年の重点施策と位置づけている。

 大都市圏だけでなく全国への展開を推進する背景として、昨年10月に月額500円(税抜き)から使えるALTUSサービスを立ち上げたことが挙げられる。データ転送料金は固定でワンコインから始められるクラウドサービスは、「グローバル大手のライバルの最安レベルと比べても十分に競争力がある」(技術部サービス企画室の石田勝彦氏)ことから、コストに敏感な地方市場でも受注を増やすことができるはずと、今後の展開に期待している。価格帯も「月額500円から1000円、1500円などと、できる限り細かく選べるようにした」ことで、割安感を強めた。

 地方展開にあたっては、販売パートナーとの連携を重視しており、販売を担う「セールスパートナー」と、アプリケーション開発を担う「アプリケーションパートナー」の主に2種類のパートナー制度を用意した。

 GMOクラウドは、クラウドサービスが主力となる以前のホスティングサービス時代から間接販売方式を取り入れており、ホスティング系の販社は6000社余りに達する。販社の数が多いのは、ホスティング系の商材が手離れよく売れるからで、いわゆる「限りなくカタログ販売に近い売り方が可能」(荻野セールスマネージャー)であることに理由がある。

 その一方でクラウド系の商材であるALTUSは、システム構築を伴うことが多いIT基盤であり、従来のカタログ販売的なアプローチでは売りにくい側面がある。このためGMOクラウドはクラウド商材に適した販売パートナーを、再度、募ることにした。

 すでにSIerやソフト開発会社(ISV)など30社余りがALTUSの「セールス」「アプリケーション」といったパートナーに参加しており、GMOクラウドは今後1年で、地方で力をもつビジネスパートナーを中心にリクルート活動を展開。累計で50社へパートナーを増やしていく方針を示している。

 とはいえ、サーバーやストレージ機能などIT基盤だけのクラウドサービスでは、海外勢を含めた並み居るライバルとの差異化を図るうえで限界がある。そこで打ち出すのは現行のIaaS/PaaS層に加えて、上位レイヤに相当するSaaS型のサービスも揃えていくことを検討している。「ALTUSを特徴づけるサービス群を拡充していく」(荻野セールスマネージャー)とし、まずは昨年末にはNAS(ファイルサーバー)パッケージを投入。今後は、例えばセキュリティ重視のメール機能など、使い勝手がよく、しかも地方ユーザーにも受け入れられやすいサービス開発に力を入れることで競争優位性を高める。(安藤章司)

荻野勇二セールスマネージャー(左)と技術部の石田勝彦氏
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外部リンク

GMOクラウド=http://www.gmocloud.com/