日本ヒューレット・パッカード(日本HP、吉田仁志社長)は、ミッションクリティカル向けのフラッグシップサーバー製品群「HP Integrity」シリーズのラインアップを拡充し、x86アーキテクチャを採用した新製品「HP Integrity Superdome X」を発売した。米HPは、2011年から「Project Odyssey」と銘打ったミッションクリティカル・コンピューティング製品の開発計画を進めてきた。プロジェクトの核となるのは、x86サーバーをミッションクリティカルな要求に応える製品に進化させるというコンセプトで、HP Integrity Superdome Xは、まさにそれを実現した製品といえる。日本HPは、国内のミッションクリティカル市場のパイを広げる戦略製品として拡販を図る。
日本HP
手島主税
執行役員 既存のHP Integrityシリーズには、インテルItaniumプロセッサ搭載の「HP Integrity Superdome 2」や、無停止型超並列サーバーの「HP Integrity NonStop」があり、HP Integrity Superdome Xにこれらのノウハウを注ぎ込んだ。汎用のLinuxに対応し、インテルXeonプロセッサE7 v2ファミリーを16CPU/240コア搭載できる。最大16ソケット12TBメモリのスケーラブルなコンピューティングリソースを実現する。また、独自の物理パーティション機能によってきょう体内の障害範囲を限定できるなど、多数の高信頼性機能を備える。最少構成価格は、2397万1000円(税別)。
12月に都内で開いた製品発表会において、日本HPの手嶋主税・執行役員HPサーバー事業統括本部長は、「ミッションクリティカル市場が縮小していくという話もあるが、HPはそう思っていない。ERPなどの基幹系システムで業務用データを処理するニーズはなくならないし、ビッグデータの処理、IoT、スマートグリッドなどの社会インフラ、業種間連携、コラボレーション基盤など、企業や社会の成長の新たな原動力となる分野でも、ミッションクリティカルな環境が必要となる」と指摘。そのうえで、HP Integrity Superdome Xが、「大量のデータ処理・解析性能や可用性、オープン性を備え、新しいミッションクリティカル市場のニーズに応える製品」であると強調した。
米HP
リック・ルイス
VP 発表会には、エンタープライズ系サーバーの研究開発を統括する、米HPのリック・ルイス・エンタープライズサーバービジネスバイスプレジデント(VP)兼ゼネラルマネージャも駆けつけ、「HP Integrity Superdome Xによって、ミッションクリティカル向けポートフォリオが充実したことで、幅広い柔軟な選択肢をお客様に提供できる」と、手応えを語った。
また、1995年からHPと戦略的パートナーシップを結んでいるNECの西村智泰・ITプラットフォーム事業部長も登壇し、2013年7月に両社がミッションクリティカル用途のx86サーバー領域で提携した成果が、HP Integrity Superdome Xだと説明。2014年度第4四半期にNECからも出荷する方針であることを明らかにした。(本多和幸)
ミッションクリティカルサーバー新製品をお披露目