アクロニス・ジャパン(アクロニス、村上督代表取締役)は、クラウド環境にバックアップできるサービス・プラットフォーム「Acronis Backup as a Service(Acronis BaaS)」の提供を開始した。Acronis BaaSは、サービスプロバイダ(SP)がユーザー企業に対してクラウドバックアップサービスを提供することを想定したプラットフォームである。そのため、アクロニスは、既存の販売代理店を確保しながらワールドワイドでSPとのアライアンスを強化していく方針だ。
米アクロニス
ユーリ・ラリーチェフ
プレジデント 米アクロニスのユーリ・ラリーチェフ・プレジデントは、「当社はバックアップ製品のライセンス販売をメインのビジネスに据えていたが、クラウドが普及したことで、SPのサービスとして提供することが重要と判断した」と、BaaSに参入した背景を説明する。なお、Acronis BaaSは、アクロニスが得意とするシステムの丸ごとバックアップを実現する技術「AnyData Technology」を採用している。
Acronis BaaSの提供方法は、次の三つを用意する。一つ目は、管理コンソールとバックアップ先のストレージを含めたプラットフォームをアクロニスが提供する「Acronis Hosted」。二つ目は、管理コンソールをアクロニスが提供して、SPが自社管理のストレージを提供する「Hybrid」。三つ目は、SPが管理するプラットフォームに、アクロニスの管理コンソールやストレージソフトなどを展開する「Service Provider Hosted」で、これについては提供時期が未定となっている。
米アクロニス
ヤンヤープ・ヤガー
アジア太平洋および
新興国担当副社長 米アクロニスのヤンヤープ・ヤガー・アジア太平洋および新興国担当副社長兼アクロニス国際事業部長は、「バックアップ製品のディストリビュータを経由して、SPにAcronis BaaSを提供する環境を整える」との方針を示す。とくに、日本市場で商流を構築しようとしており、アクロニスを中心として、ディストリビュータとSPが連携する仕組みを模索していく。これにより、Acronis BaaSを一気に広める考えだ。(佐相彰彦)