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テクノスジャパン ビッグデータを戦略ビジネスに据える 3年後に売上高10倍を目指す

2014/10/30 18:50

週刊BCN 2014年10月27日vol.1552掲載

 中堅SIerのテクノスジャパン(山下誠社長)は、ビッグデータビジネスに力を入れる。1994年の会社設立から一貫して基幹システム構築をメインに手がけ、現在は大量データを分析して経営に生かすビッグデータソリューションを新たな成長エンジンにしようとしている。データサイエンティストの育成などで事業基盤を築き、ビッグデータ事業を3年後に現在の10倍にあたる30億円に引き上げることをもくろんでいる。

城谷直彦
会長
 テクノスジャパンは、独SAPのパッケージソフトを活用したシステム構築に強い。従業員数は約330人で、昨年度(2014年3月期)の年商は41億7900万円。中堅クラスの規模だが、営業利益率は10%水準で一般的なSIerに比べて高い。「約20年をかけて培った当社のノウハウやスキルを高く評価してもらっている」(城谷直彦会長)ことが、高収益体質の理由だという。

 今年4月に設立20周年を迎え、10年後を見据えた長期的ビジョンを策定。基幹系システム構築に次ぐ新たなビジネス創出のために着眼したのが、ビッグデータビジネスだ。「3~4年前から、ビッグデータには可能性があると感じていた。ニーズが高いにもかかわらず、ツールの提供だけにとどまっているITベンダーが大半で、ユーザー企業ごとにデータを有効活用する方法を提案し、そのために最適なシステムを構築できる企業が少ない」(城谷会長)ことから立ち上げを決断した。

 事業基盤を築くために、ここ数年でデータサイエンティストというデータの活用方法を提案する専門職を社内で育成しているほか、他社からも採用。「今年度内に40人ほど揃える」(同)。科学技術計算や統計学、宇宙物理学などに精通している専門家を雇用しているという。製品では、基幹系システム構築と同様に、SAP製品を活用する。データ分析基盤「SAP InfiniteInsight」やインメモリコンピューティング基盤「SAP HANA」を軸に、顧客の要望に合わせて大量データの解析を行うシステムを構築して提供する考えだ。

 城谷会長は、「今の10倍のビジネスにするためには、データサイエンティストが80人から100人は必要だと感じている。単なる人月商売にならないようにビッグデータに関する当社オリジナルのパッケージ製品・サービスも用意する必要がある」と説明。データサイエンティストの育成・採用を急ピッチで進めるとともに、商品開発にも力を注ぐ計画だ。

 新商品については、今秋に、低価格で特別な知識が不要なデータ分析・解析のクラウドサービスの提供を予定している。(木村剛士)
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外部リンク

テクノスジャパン=http://www.tecnos.co.jp/