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中国・上海でソフトウェア貿易イベント開催、日本からはKISAなどが参加
2014/10/28 18:50
週刊BCN 2014年11月10日vol.1554掲載
日系IT団体も参加、日中のビジネス交流を促進
イベントでは、日本のIT団体が参加する催しも行われた。初日には、上海軟件対外貿易連盟(SOBUS)と上海市軟件行業協会(SSIA)、近畿情報システム産業協会(KISA)の3団体が、「日本プロジェクト商談会」を開催。KISAの青木隆夫専務理事によると、「日本企業の中国市場への進出と、中国企業の日本市場への進出を促進するためのイベント。IT団体が仲介することで、企業が単独で行うことが難しい海外現地企業とのパートナーシップの構築を支援している」という。日本からは、顔認証システムを手がける大阪府の日本マイクロシステムズなどのIT企業だけでなく、クリーン関連設備や理化学機器を展開する伸榮産業など、他業種の企業も参加。KISAの村上学事務局長によると、「団体に加盟している企業であれば、IT以外の他業種の企業でも参加することができる」という。商談会には、KISAから7社、中国側からは21社が参加した。
イベントの2日目には、SSIAと上海市計算機軟件評測重点実験室(SSTL)、日本科学技術連盟(JUSE)の3団体が、「アジアソフトウェア品質連盟交流年会」を開催。各団体の担当者が、ソフトウェアの品質やセキュリティに関する講演を行ったのち、自由討論を行った。
SSIA、日系IT企業・団体との連携強化に意欲
日本のIT団体とイベントを共催した上海市軟件行業協会(SSIA)は、上海市のソフトウェア企業を取りまとめる社団法人。イベント後に、今後の日系IT企業・団体と連携した取り組みについて、厳徳銘・副秘書長兼副会長に聞いた。1986年設立の社団法人、SSIAは、ソフトウェア企業の認定業務のほか、エンジニアの技術研修、融資、海外進出のサポートなど、IT企業への支援事業を行っている。ソフトウェア企業の認定を取得することで、IT企業は政府の優遇政策を受けたり、特定プロジェクトへの入札に参加したりできるようになる。厳・副秘書長兼副会長は、「上海市にはおよそ3000社のIT企業があるが、このうちの約8割が当協会の会員」と説明する。日系企業では、PFUの現地法人であるPFU上海計算機など、約10社が会員になっている。
現在、協会が最も力を入れているのは、国際間のビジネス交流だ。日系のIT団体では、7年前からKISAと協業して、毎年2回、上海と大阪で商談会を実施し、今回のイベントもその一つ。両団体に参加する企業の海外進出を支援している。厳・副秘書長兼副会長は、「中国市場に興味をもっている日本のIT団体がほかにもあれば、連携を検討したい」と意欲を示している。
また、中国に進出している日系IT企業の支援にも前向きな姿勢をみせる。SSIAは、中国資本のローカルIT企業にとどまらず、日系を含む外資系企業や合弁企業にも平等に支援事業を展開している。厳・副秘書長兼副会長は、「日系企業は、中国での事業を推進する際に、お金を支払ってコンサルティング会社を利用するケースが多い。当協会は、非会員の外資系企業も無償で支援している。困りごとがある際には、ぜひ相談してほしい」と語った。(上海支局 真鍋武)
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上海市人民政府=http://www.shanghai.gov.cn/