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上海縁通科技、日中間の新型国際データ通信サービスを本格提供、日本のクラウド事業者の中国進出を支援
2014/09/22 18:50
上海縁通科技は、2001年11月設立の中国ローカルITベンダー。日本の現地法人である縁通を含めて約60人の従業員を抱えている。2013年度(13年12月期)の総売上高は約6億円。サーバー仮想化によるプライベートクラウド環境の構築が得意で、これまで約100社に納入した実績をもつ。
IDC、ICP、ISPなどの中国の通信関連ライセンスを保有し、顧客のプライベートクラウド環境を自社データセンター(DC)で保守・運用するサービスも提供している。今年6月にプライベートクラウド事業を分社化して、上海私雲通信技術を設立した。
「Global Internet」は、高速で安定した日中間の国際データ通信を実現するサービス。営業は主に日本法人の縁通が担当する。一般的に、日中間のデータ通信は、公衆インターネットと国際専用回線の2種類があるが、公衆インターネットは複数の経路をまたいでデータを送信するので、通信速度が不安定で遅延しがち。一方、国際専用回線は高速で安定しているが、コストが高い。
これに対して「Global Internet」は、「中国にある自社DCと日本法人のDCを結び、ユーザーの日本拠点と中国拠点を各DCに接続することで、安定した高速通信を実現する。通信速度は国際専用線と同等で、コストは半分程度」(浅井洋幸総経理助理)という。
沈総経理は、「われわれは、日本から中国へのクラウドサービスの提供を支援できる」と説明する。クラウド事業者は、中国でサービスを提供する場合、通信回線が不安定なことを理由に中国国内のDC上にシステムを構築するケースが多いが、「Global Internet」を活用すれば、日本のDCからそのまま中国のユーザーに対して高速で安定したサービスを提供できるという。
上海縁通科技は、およそ1年前から「Global Internet」のテストサービスを提供。すでに利用している約10社は、すべてISPなどのIT企業だという。沈総経理は、「万が一、サービス品質が基準を下回った際には、減額するというSLAも付帯している。中国への進出を検討している日本のクラウド事業者にぜひ活用してほしい」とアピールした。(上海支局 真鍋武)
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