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深セン市アイセック科技、プロダクト販売が好調、健康・医療分野にも挑戦
2014/09/22 18:50
深セン市アイセック科技は、03年9月に設立された。資本金は400万元で、深センのほか、北京、重慶、佛山に拠点を構え、合計で約70人の従業員を抱える。もともとは日本向けオフショア開発を主要事業としていたが、08年以降は縮小し、13年度の売上高に占める割合は10%程度。残りの90%は、中国国内向けのSIやプロダクト販売事業で、顧客は日系企業と中国ローカル企業が半々だという。
趙総経理は、「円安や人件費の高騰で、深センではオフショア開発で利益を捻出することは難しい。自社プロダクトの販売に舵を切ってからは、売上高・利益率ともに順調に成長している」と説明する。また、「当社が日本の地方ソフト開発企業に対して、システム開発の一部を発注することもある。日本の企業は技術力が高く、コストも中国と同じくらいだ」という。
プロダクト販売では、JFEシステムズの製造実行システム(MES)「J-MEXs Lite」や、インフォアの会計管理システム「Infor SunSystems」を扱うほか、自社で開発したRFID管理システム、成型工場現場管理システム、エネルギー管理システムなどを展開。基本的には直販方式で、ウェブから問い合わせがあった顧客に対して提案し、要望に合わせたカスタマイズして提供している。
急速に高齢化が進む中国で健康への関心が高まっていることを受けて、今年度は中国の医療機器メーカーと協業し、個人向けの健康管理アプリ「小美」を開発。血圧や血糖値の測定器で収集したデータをBluetooth経由でクラウド上に蓄積し、アプリからデータを管理できる。趙総経理は「アプリは無料で、個人向けに提供している。収集したデータをビジネスに活用できるのではないかと期待している」と説明する。
深セン市アイセック科技は、今後も中国国内でのプロダクト販売に力を入れ、自社で開発するだけでなく、他社の製品も販売する意向だ。趙総経理は、「日本のITベンダーは、高品質のプロダクトをもっている。とくに健康・医療分野に向けたいい商材があれば扱いたい」と語った。(上海支局 真鍋武)
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