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CEC杭州、オフショア開発事業から撤退、Microsoft Dynamicsの販売に専念
2014/09/02 18:50
CEC杭州は2010年7月の設立で、資本金は1億2000万円。現在、約25人の従業員を抱える。これまでは、日本向けオフショア開発とスマートフォン・携帯電話などに向けたソフトウェアの検証を請け負うサービス、Microsoft Dynamics AXの販売・導入・保守サービスの三つの事業を手がけてきた。
しかし、日本向けオフショア開発は、中国の人件費の高騰や円安によって、利益の確保が困難になった。検証サービスも、日系のモバイル端末メーカーが苦戦を強いられていることで、大きな成長には至っていない。服部総経理は「採算が取れていないわけではないが、今後の成長は見込めないと判断し、今年度(2014年12月期)の初頭から半年をかけて事業を整理してきた」と説明する。
今後は、得意分野で成長を見込むDynamics AX事業にリソースを集中する。シーイーシーは、CEC杭州を設立する以前の03年に、中国で日系企業に向けたDynamics AXの提供を開始。CEC杭州設立後はさらに営業活動を活発に行い、これまで48社の日系企業に納入実績がある。東南アジアなど、中国以外の地域にも営業範囲を広げ、半数程度は中国以外の地域の顧客だ。
侯天〓(※〓は火へんに斤)・システムソリューション事業部事業部長は、「03年から経験・ノウハウを蓄積してきた専門コンサルタントがいることと、日・英・中の3か国語に対応していること、各国の税制などに応じたソリューションテンプレートをもっていることが、当社のDynamics AX事業の強み」と説明。8月25日には、販売数や高い顧客満足度が評価されて、マイクロソフトの「FY14 Best Cooperation Award」を受賞した。侯事業部長によると、「中国での受賞企業は、当社を含めて4社だけ」という。
CEC杭州のDynamics AX事業は、2010~13年度、売上高が年平均で30%程度成長している。服部総経理は、「今後、急激に売上高を伸ばそうとは考えていない。顧客基盤はそれなりにあるので、しっかりと地に足を着け、サポートの充実などを通して経営基盤を固めていきたい」と語った。(上海支局 真鍋武)
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