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東芝ソリューション クラウド型ビジネスへシフト グループ連携を機に促進
2014/08/28 18:50
週刊BCN 2014年08月25日vol.1543掲載
社長
クラウド&ソリューション社は、東芝グループ各社のITインフラ、とりわけクラウド基盤を提供する役割を担う。東芝はこれまで、国内企業を中心にデータセンター(DC)やクラウドのサービスを提供してきたが、今年2月には、世界150拠点あまりのDCを保有するNTTコミュニケーションズと協業を発表。グローバルでクラウドサービスを展開できる体制を整えた。
東芝グループは、直近で国内外およそ35都市で展開中のスマートコミュニティ事業のITインフラで共通の基盤が必要になることから、こうした用途にクラウド基盤を活用する予定だ。東芝ソリューションは、そこでのクラウドサービスを提供することになるので、これを機に、従来の受託ソフト開発中心のビジネスモデルから、クラウドを軸とするサービス型ビジネスへとシフトさせようとしている。錦織社長は「クラウドサービスへのシフトは、従来型のSIビジネスからの脱却とほぼ同義だ」と捉え、クラウド方式のビジネス拡大に強い意欲を示す。
クラウド以外の分野でもグループ連携を強める。ウェスチングハウス・エレクトリック・カンパニーやランディス・ギアなど、東芝が傘下に収めてきたエネルギー関連の海外法人へ自社のSEを常駐させてノウハウを吸収。競争力の向上を図る。今年7月には東芝社内カンパニーのヘルスケア社が新設されているが、東芝ソリューショングループで組み込みソフトやLSI設計などに強い東芝情報システムは、「ヘルスケア社の高度な診断機器に向けて組み込みソフト開発で力を発揮できる」(錦織社長)とみる。また、ストレージ分野では、フラッシュメモリを活用した高速ストレージの活用も重点領域に位置づける。こうした取り組みによって東芝ソリューションの東芝グループ向けの売上比率は一時的に増える可能性はあるが、「中長期でみれば、東芝ソリューション自身の競争力強化につながる」と錦織社長は話す。(安藤章司)
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