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日本AMD、組み込み分野でAPUの提供拡大へ、積極的なアライアンスで主導権を握る
2014/07/31 18:45
――日本AMDのビジネスは、現在どのような状況か。
ベネット これまでは、PCメーカーに対してCPUやAPUなどを提供するOEMを中心に展開してきた。PC分野のビジネスはもちろんこのまま継続するが、現在は違うマーケットの開拓に力を入れている。それは組み込み分野だ。
――なぜ、組み込み分野のビジネスに力を入れるのか。
ベネット 例えば、ゲーム機器関連は日本で多くの需要があり、まだまだ市場が拡大する可能性がある。また、デジタルサイネージ関連では、コンテンツ配信を管理するニーズが高まっているので、現在、液晶ディスプレイへのGPU搭載に取り組んでいる。メディカル関連もIT化が進み、より鮮明な映像を求めている。このような環境から、当社のAPUやGPUが必要になると確信している。また、FA(ファクトリー・オートメーション)など、産業用デバイスにも提案している。
――組み込み分野のビジネスを拡大するうえで、重要なことは何か。
ベネット PCメーカー以外とのアライアンスだ。これまでは、日本市場の組み込み分野を米国本社でカバーしていたが、これを日本法人でカバーするようにした。3月に新設した組み込み製品事業部を中心に、ゲーム機器メーカーや医療機器メーカー、産業用デバイスメーカーなど、これまであまり接点のなかったベンダーと積極的にアライアンスを組んでいく。PC分野についてはノウハウをもち、ビジネスモデルが確立していると自負しているが、組み込み分野はこれからなので、新組織の人員増を含めて積極的に投資していく。
――アライアンスを組んだメーカーは、APUやGPUを搭載した製品を、販社を通じてユーザー企業に販売できるのか。
ベネット APU、GPUがベネフィットだと意識しているユーザー企業に対して、まずは当社からアプローチをかけるほか、APUやGPUのメリットを改めて伝えることで導入事例を増やしていく。もちろん、アライアンスパートナーとともに需要を掘り起こす活動も進めていくつもりだ。
――具体的な目標は。
ベネット 現在、PCへのOEMを中心としたクライアント関連ビジネスの売上比率は90%以上で、それ以外のビジネスの比率は低い。しかし、2015年末までには、クライアント関連ビジネスが50%、それ以外が50%になるよう計画を立てている。PC関連ビジネスも手がけていくが、今後は他社と一線を画した戦略によって、組み込み分野で主導権を握りたい。(佐相彰彦)
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