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<WPC 2014>ナデラCEO登場、ビッグニュースはなくビジョンの説明に終始
2014/07/17 18:49
ナデラCEOは、CEOとして初めてのWPCで、約1時間、全世界から集まった約1万6000人のパートナーに向けて語った。最初に、「クラウドファースト」「モバイルファースト」というマイクロソフトが打ち出しているコンセプトを改めて強調。「モバイル、クラウドなしに、個人の生活も仕事も成り立たない」と切り出した。
クラウドファースト、モバイルファーストを具現化するために、マイクロソフトは、「Productivity and Platform Company(生産性向上に貢献するプラットフォーム会社)」であると話し、強みとして、「クラウドOS」と「デバイスOS&ハードウェア」をもっていることを挙げた。
個別のソリューションの紹介では、「Internet of Things(IoT)」関連と、Skypeと組み合わせた翻訳機能を挙げた。「IoT」関連では、全世界で動く約110万台のエレべータを管理する企業の事例を紹介。マイクロソフトの未来予測も可能というデータ分析ソリューション「Machine Learning(機械学習)」を使ったソリューションで、各エレベータに配置したセンサからリアルタイムで情報を収集し、過去の運用データと組み合わせて常時分析して故障を予知する仕組みを説明した。
一方、翻訳機能では、「Skype」と研究開発中の翻訳機能をデモを交えて紹介。ドイツ語を話す人と、英語を話す人がSkypeのテレビ電話で会話。システムが互いの言語を瞬時に自動翻訳し、スムーズなコミュニケーションを実現するデモを披露した。ナデラ氏は「この技術はさまざまなシーンで応用できる」と説明し、「今年末にはプレビューを利用してもらえるようにしたい」と述べた。
最後に、ナデラCEOはパートナーに向けて、哲学者のフリードリヒ・ニーチェの言葉を引き、「Courage in the face of reality(現実をみて、勇気をもとう)」とメッセージを送り、パートナーのモチベーションを上げて講演を締めくくった。
CEOに就任後、ナデラCEOがWPCで初めてスピーチをするとあって、ビッグニュースを期待する声が多かったが、実際には大きなニュースはなかった。また、スティーブ・バルマー前CEOは大きな声を張り上げてパートナーを鼓舞するダイナミックなパフォーマンスが特徴だったが、ナデラCEOは静かにていねいに話すスタイル。スピーチパフォーマンスが対照的であることも印象的だった。
WPC期間中、米メディアのブルームバーグは、マイクロソフトが過去最大規模の人員削減などを盛り込んだ構造改革を計画していると報じたが、正式な発表はなく、ナデラCEOの基調講演でも言及はなかった。(木村剛士)
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