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CAC上海、二つの戦略で中国ローカル企業を開拓
2014/06/30 19:15
CAC上海は、シーエーシーの中国での営業拠点として2000年8月に設立。現在、約120人の従業員を抱え、金融業や医薬業を中心に、SI(システムインテグレーション)などのITサービスを提供している。
顧客の約8割が日系企業で、残りの約2割が欧米系企業と中国ローカル企業。小峰副総経理は、「日系企業向けビジネスには限界がみえてきた。大きな拡大は見込めない」として、中国ローカル企業の開拓に力を入れていく方針を示す。そして、そのための二つの戦略を定めた。
一つは、「海外にあって中国にはまだない商材を売り込む」戦略だ。SAPやオラクル、マイクロソフトなどの基幹系システムは、ローカルIT企業との競合が激しく、コスト面で劣る日系企業は分が悪い。そこで、まだ立ち上がったばかりの市場に向けて、海外で実績のある商材を先行して販売していく。例えば、「金融業では、ここ3年で約30社のファクタリング企業(売掛債権買取業務を手がける企業)が設立されており、今後も増加していく見込みだ。こうした新興市場向けの商材は、中国にはまだ存在していないケースが多く、海外製品のニーズが期待できる」(小峰総経理)。現在、商材を選定しているところだという。
もう一つは、「中国ローカル企業の事務業務に目を向けたITサービス」だ。中国では、60歳以上の高齢者が昨年末に2億人を超え、今後も毎年1000万人ずつ増加していく。労働力の減少を防ぐために、最近は北京市や上海市など、一人っ子政策を緩和して第2子の出産を認める地域が増えている。小峰副総経理は、「中国の事務員は20代の女性が多く、今後は子育てのために産休を取る人が増えて、人材が流動化していく」とみる。こうした事業所向けに、事務業務を標準化・自動化するITソリューションや、事務業務のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)などを提供していく予定だ。
CAC上海の13年度(13年12月期)の売上高は約8000万元。小峰副総経理は、「この二つの戦略によって、ローカル企業の開拓を進めるとともに、売上高を年平均で15%成長させる」と目標を示した。(上海支局 真鍋武)
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