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トーテックアメニティ 介護分野で全国シェア狙う ここ数年で一気に拡大基調に乗る

2014/05/29 18:45

週刊BCN 2014年05月26日vol.1531掲載

 東海地区の有力SIerであるトーテックアメニティ(名古屋市、坂井幸治社長)は、介護分野へのサービス拡充を推進している。「介護費用の適正化」と「介護事業者の情報検索サービス」の二つを軸として、自治体や介護事業者、利用者の双方にメリットのある仕組みを構築。とくに介護サービスの利用者にとって、より公平に、使いやすいサービスになるよう支援することで、全国規模でのシェア拡大に力を入れている。

川北敏久
取締役執行役員
 「介護費用の適正化」では、ソフト開発会社の千早ティー・スリーが開発した「トリトンモニター」を使い、介護保険が適正に活用されているかどうかを保険者である自治体にレポートする。国民健康保険では一般的に使われている適正化の仕組みを介護保険に応用したもので、保険請求の矛盾点を自動的に検知する機能を備えている。具体的には、「足が不自由なのに、徘徊探知機が給付されている」「1か月32日分の介護費用が請求される」などの矛盾点をソートする。矛盾点の大半は単純ミスからくるものだというが、矛盾点が簡単にソートされるという無言の「抑止力」によって、ミスが減るなどして介護費用の適正化が進む効果も期待できる。

 「トリトンモニター」の自治体からの引き合いは上々で、すでに200余りの市区町村が採用。川北敏久・取締役執行役員公共医療システム事業部事業部長は「とくにここ数年で一気に伸びた」と手応えを感じており、今年度(2015年3月期)末までに300団体への納入を目指す。

林田浩一
部長
 また、「介護事業者の情報検索サービス」は、「サービス内容」や「場所」「施設の受け入れ状況」などの項目で介護事業者を検索するサービスだ。飲食店を検索する「ぐるなび」の介護版のような位置づけで、「利用者がネット上で、自分たちや要介護のご両親に適した介護サービスを容易に探せるようになる」(林田浩一・福祉営業部部長)と話す。介護事業者は中小零細の事業所が多く、自ら情報を発信していくことが難しい。そこで介護事業者による簡単な操作で自治体に情報が集まる仕組みをつくり、ユーザーは自治体のウェブサイトから地域内の介護事業者を俯瞰できるようにした。

 サービス名称は「けあプロ・navi」で、すでに東京都の新宿区や世田谷区、豊島区など、首都圏の自治体からの発注を獲得している。よりよい介護サービスを利用したいという利用者のニーズは今後も一段と強まることが見込まれていることもあって、「介護費用の適正化」と「介護情報の検索サービス」の二つの切り口で自治体や利用者などのニーズに応えていくことで事業拡大を目指す。(安藤章司)

「けあプロ・navi」を活用した新宿区「介護事業者情報検索システム」の画面イメージ
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外部リンク

トーテックアメニティ=https://www.totec.jp/