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JASIPA 海外進出企業に向けて無料相談サービスを開始 FBIはソーシングでオフショア開発を支援
2014/04/24 18:45
週刊BCN 2014年04月21日vol.1527掲載
FBI代表
JASIPAは、「海外ビジネスのコンシェルジュ」と位置づけ、人的リソースの紹介や海外展開に必要な人材教育などを行う。グローバルビジネス委員会の月一回の定例会合などで案件を検討し、どのベンダーがどう支援するかを決める。白井委員長は、「JASIPAのホームページをリニューアルして、相談の受け付けを開始。まずは、受託ソフトのオフショア開発先の紹介・交渉や海外技術者との連携、言語対応などを手伝う。将来は現地調査や代理店開拓などにも広げる」と話す。
オフショア開発先としては、中国や台湾、ベトナム、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどを想定している。サービスは無料だが、具体的な案件に関しては有償で受け付ける。
一方、FBIは、より安価での開発を支援するために、アジアのシステムエンジニア(SE)を発注先とするオフショア開発のグローバルクラウドソーシングサービス「Crowdia(クラウディア)」を近く開始する。
白井代表は、「国内で安く優秀なSEを調達するのは困難になりつつある。範囲をアジア圏に広げれば、優秀な人材が豊富だ。そこで、これをマッチングさせるサイトを開く」としており、ベトナム、フィリピン、インドネシア、シンガポールの在宅のフリーSEと結ぶクラウドソーシングを展開する。
FBIは、クラウドソーシングサービスのウェブサイト運営や国内受託ソフト会社からの相談対応、契約締結、ブリッジSEの教育やプロジェクト管理、検収まで一連の作業を担う。白井代表は「中国の人件費は高騰しており、次のオフショア先を探す必要がある。だが、そのノウハウがないので、多くのベンダーが断念している」と、1人月/10万円程度の東南アジアの新興国でオフショア開発できる体制を整備したという。現段階で抱えるフリーSEは100人程度。1年後には1000人に増やす計画だ。
情報サービス産業協会(JISA)によれば、受託開発、ソフトプロダクト開発、計算事務など、情報処理のすべてで人材不足の状況だ。一方で、案件の人月単価は下落傾向にあって、オフショア開発をしなければ、粗利を出しにくい。JASIPAやFBIのサービスを利用することで、ノウハウがなくても海外進出が可能になりそうだ。(谷畑良胤)
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