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プレスク 職場環境を整備してモチベーションを高める 東京都の支援制度を活用

2014/04/24 18:45

週刊BCN 2014年04月21日vol.1527掲載

 システム開発・運用保守を手がけるウエルストーングループ傘下のプレスク(湯浅信代表取締役)は、社員やスタッフのキャリアパスの策定や、ワークライフバランス環境の整備に力を入れている。東京都の「課題解決型雇用環境整備事業」の選定事業として、「IT業界リノベーションプロジェクト」と題する取り組みを行うとともに、2013年度の「東京ワークライフバランス認定企業」にもなった。職場環境の改善を通じて、キャリアパスやワークライフバランスを維持しやすくするのが認定の条件だ。

湯浅信
代表取締役
 情報サービス業は、とかく「3K職場」と揶揄され、労務管理が長年の課題になっている。とりわけ、中小のソフト開発事業者にとって、人材の獲得と定着は大きな経営課題であり、「東京都などの支援制度を最大限に活用しつつ、職場環境の改善に取り組むことが業績拡大につながる」(湯浅代表取締役)と話す。現在取り組んでいる東京都選定事業の「IT業界リノベーションプロジェクト」では、ワークライフバランスの研修会や、女性社員の出産後の復職支援のモデル化、スキルチェンジ希望者への講習会を開くなどして、働く意欲の向上を目指す。

 同社のこうした取り組みは、ER(エンプロイー・リレーションズ)の考え方にもとづくもので、社員に向けてキャリアパスやワークライフバランスの重要性をしっかり説いていくことで、職場の活性化につなげる。PR(パブリック・リレーションズ)やIR(インベスター・リレーションズ)は、広く社会や株主に対して、自社の活動を知ってもらうことで、結果的にビジネスをより円滑に進めるものだが、「社内に向けての広報活動であるERも、欠かせない要素だ」(湯浅代表取締役)と考えている。こうしたER活動によって、「日本一モチベーションの高い会社」になることを目標に掲げる。

 プレスクは、医療やコンテンツ配信サービスなどの分野に強みをもつSIerで、医療では富士通グループの医療業界向けパッケージソフト「HOPE」シリーズの実装を手がけるほか、コンテンツ配信分野ではスマートフォン向け配信システムの構築でも実績を積んできた。また、大手製造業の企業年金システムの改修など、「大手ITベンダーや大手メーカーなど優良顧客の開拓に努めてきた」ことで、今年度(2014年8月期)の売り上げは前年度比1.5倍に伸びる見通しだ。

 人材の確保と定着は「経営の根幹に関わる重要な課題」(湯浅代表取締役)として、東京都の雇用環境整備事業を活用。キャリアパスやワークライフバランスを保つ職場環境の整備に力を入れる。この取り組みによって、社員・スタッフの満足度やモチベーションの向上をビジネスの拡大につなげる好循環をつくりだしていく考えだ。(安藤章司)
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プレスク=http://www.presq.co.jp/