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ユース・情報システム開発 ミャンマーのソフト大手と合弁会社 オフショア開発に加えて日本製品の輸出も
2014/03/13 18:45
週刊BCN 2014年03月10日vol.1521掲載
ACEは、1992年設立のソフト開発企業で、ミャンマーのヤンゴンに本社を構える。傘下にコンサルティングサービスや貿易会社、モバイルサービス会社、日本の大手シンクタンクグループとの合弁会社がある。グループ全体の従業員数は420人ほどで、年商は約500万ドル(約5億円)。「ミャンマーで最も古くて規模が大きいソフトハウス」(ACEのゾウ・モータン・マネージングディレクター)という。
主な事業内容は、ミャンマー国内の政府や金融、保険業向けカスタムソフトの開発と、自社開発パッケージソフトの販売、他社製ソフトを活用したシステム構築だ。オフショア開発も手がけており、全体の30%を占めている。オフショア開発は、日本企業からの受注が最も多い。全売上高の内訳は、ミャンマー国内の金融・保険業向けビジネスが40%、オフショア開発事業が30%、金融・保険業以外の業種に向けたミャンマーでのビジネスが30%だ。
ミャンマーの経済発展に伴って同国政府や企業のIT需要が高まっていることと、中国やインドに比べてソフト開発者の人件費が安価であることからオフショア開発も伸びている。ミャンマーの大卒新入社員の初任給は、およそ2万円という。業績は好調で、現在の従業員数は、5年前に比べて約5倍になった。
ユース・情報システム開発は、およそ4年前からACEと協業し、日本のITベンダーおよびユーザー企業から、ソフト開発の一部をACEに委託する仲介を行っている。今後、ミャンマーのソフト開発者を利用したいと考える日本企業が増えるとみて、合弁会社を設立することにした。
新会社の出資比率はACEが51%で、ユース・情報システム開発が49%。代表取締役は二人で、ユース・情報システム開発の舟橋代表取締役とACEのモータン氏が兼務で就任し、社長は舟橋氏が務める。事業は、オフショア開発をメインに手がけるが、日本のIT製品・サービスをミャンマーで販売することも計画している。モータン氏は、「日本のIT製品・サービスは品質が高くて魅力がある。ミャンマーでも販売できそうなものを選りすぐって、ミャンマーで販売する。将来は、ミャンマーだけでなく、私たちがハブになって東南アジアの複数の国で販売したい」と語る。舟橋代表取締役は「オフショア開発ではなく、日本とミャンマーが新ビジネスを生む橋渡し役を担う」と意気込みを語っている。(木村剛士)
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