ニュース
チェック・ポイント MSPとの提携を急ぐ 3年で売り上げを倍増
2013/11/28 18:39
週刊BCN 2013年11月25日vol.1507掲載
イスラエルに本社を置く同社の2012年度のグローバル売上高は約1300億円。そのうち日本ビジネスの比率は数%だという。同社はここ数年、米国やヨーロッパなどの市場で、ファイアウォールのハードウェアに独自のソフトウェアを盛り込み、情報システムを統合的に保護する「次世代ファイアウォール」の展開に力を入れ、売り上げを伸ばした。一方、日本では「次世代ファイアウォールをこれまでうまく提案することができなかった」(本富社長)ために、売れ行きが鈍っている模様だ。
その打開策として、SMB向けの製品展開に本腰を入れていく。今年8月にトップに就任した本富社長の下、アプライアンスの運用・管理を手がけるマネージド・サービス・プロバイダ(MSP)と組んで、「サービス」を切り口としてSMB市場の開拓を進めている。MSPに対してアプライアンスを月額課金のレンタル方式で提供し、MSP各社が自社ブランドでユーザー企業に売り込むことができる。その施策によって、チェック・ポイントのブランドが浸透していないSMBユーザーの獲得を狙う。
これまで同社は大手企業向けの製品展開がメインで、大手国産メーカー系のほか、NTTグループなどを販売パートナーに育ててきた。今回、MSPの新規獲得に動くことによって、販売体制を強化する。MSPとともに、一定の期間にトラフィックを分析し、「ボットが見つかった」などとセキュリティリスクを指摘するレポートをユーザー企業に提供し、商談に導き出すための接点づくりとして活用する。
本富社長は、「ハードルが高いとは思っていない。パートナーとの新しいエコシステムを築けば、売上倍増の目標は必ず達成できる」と自信をみせる。(ゼンフ ミシャ)
経営者の素顔にスポット
本富 本社が掲げる数字目標をクリアするほか、本社に日本市場のニーズを“売り込む”ことも私の仕事です。コミュニケーションを密に取って、こちらの要望を明確に示すようにしています。本社はイスラエルにあって時間差があるので、夜のニュース番組を見ながら、電話会議で話を詰めます。
──どう納得させますか。
本富 英語でコミュニケーションを行いますが、お互い、母語ではないので、言語で負けることはない。鍵は、ゴールを明言することです。「こうやりたい」だけではなく、「それによって、この結果を出す」とコミットして、本社を納得させます。
──社内はどう変えましたか。
本富 案件管理を週次の更新に切り替え、スピード感を高めるようにしています。どんな小さなことでもいいので、結果を迅速に報告するよう、営業現場に指示を出しました。NGも一つの結果です。NGに備えて、常にバックアップのプランをもつことの重要性を社員に訴えています。
- 1
関連記事
チェック・ポイント、マネージド・セキュリティ・サービスでSMB市場を開拓
チェック・ポイント、SMB市場に本格参入 MSSを切り札に新たなセキュリティを提案
チェック・ポイント 年内にクラウド商材を投入 SMB事業の売上比率を50%に
<いまさら聞けないキーワード>MSP(マネージドサービスプロバイダ)