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弥生、オンラインサービスの第二弾は白色申告、1月14日にサービス開始
2013/11/21 18:39
個人事業主は原則として確定申告が必要だが、その際、「白色申告」と「青色申告」という二つの選択肢がある。白色申告は、所得金額300万円以下の申告者は記帳義務がないなど手間がかからないが、税金上のメリットはない。一方で、青色申告は手間がかかるが、税控除のメリットが大きい。
しかし、2014年1月から、所得金額が300万円以下の白色申告者も記帳が必要になり、これによって新たに約150万人に記帳・帳簿などの保存が義務づけられることになる。岡本社長は、記者発表会で「弥生が独自に行った白色申告事業者に対する調査によると、『確定申告だけでも大変なのに、記帳義務化といわれても何をすればいいのか分からないし、手間をかけたくない』という声が大きい」と現状を説明した。
「やよいの白色申告オンライン」は、こうしたニーズに応え、個人事業主のスムーズな確定申告を支援。白色申告に特化したシンプルな機能に限定し、家計簿感覚で簡単に入力できる。また、確定申告に必要となる収支内訳書と確定申告書Bの出力もできる。記帳から確定申告まで、完全に対応する。岡本社長は、「初めて確定申告をする人でも、迷いようがないつくりにしている」と、仕上がりに自信をみせる。
さらに、アーキテクチャにはHTML5を採用し、弥生製品として初めてMac OSにも対応。マルチプラットフォーム化を進め、対応ブラウザも、Internet Explorer、Google Chrome、Firefox、Safariの4種類をカバーする。
「やよいの白色申告オンライン」は、1月14日にサービスを開始。3月まではベータ版として提供し、正式版は4月にリリースする。さらに、来春から夏にかけて、金融機関などの取引データの自動取込みや外部アプリとの連携、集計・レポート機能を追加するなど、段階的に機能強化を図る方針だ。さらに、2014年内に「やよいの青色申告オンライン(仮称)」もリリースする。
「やよいの白色申告オンライン」の料金は、初期費用が無料で、年額4500円。ただし、2014年内はトライアル期間として、無料で提供する。弥生は、2014年1年間で10万ユーザーの獲得を目指す。また、「弥生オンライン」の第一弾「やよいの店舗経営オンライン」は、パートナーである会計事務所(PAP会員)経由と、弥生のホームページ経由の二つの販路があるが、「やよいの白色申告オンライン」は、原則として弥生のホームページからの直販だけとなる。
岡本社長は、「税法上のメリットが大きいので、当社のユーザーには青色申告を勧めてはいるが、まずは現実的な選択肢として、誰でも使えるアプリケーションを提供するということ。『弥生オンライン』シリーズは、まだまだこれからの製品。引き続き、中小企業や個人事業主の経営を支えるラインアップの拡充に努めていく」と話し、「弥生オンライン」の製品開発に力を入れる方針を示した。(本多和幸)
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