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アクセンチュアとアスバシ教育基金、若者の就労を支援する教育投資サイト「ユースアクティベーション」を構築
2013/11/01 18:40
アスバシ教育基金は、全国の若者を支援するNPO法人などの公益団体と連携し、若者の就労支援やキャリア教育の推進に取り組んでいる。一方、アクセンチュアは、2009年にCSR(企業の社会的責任)活動「若者の就業力・起業力強化」チームを立ち上げ、アスバシ教育基金などと連携して、ニート・引きこもりの若者を対象とした就労支援や、若手起業家を対象としたスキル研修・資金調達支援を行ってきた。
しかし、同じ課題に取りくむ全国の団体では、連携が進まない、資金不足に陥るなどの課題を抱え、多くの地域では、若者に対して十分な就業教育の機会を与えることができていなかった。
「ユースアクティベーション」は、こうした課題を解決し、若者の就労問題を解決に結びつけるウェブサイト。全国の若者を支援する団体が実施する高校生向けインターンシップの情報を掲載して、全国の地域市民が寄付できる仕組み(クラウドファウンディング)を提供する。また、就労支援の必要性を理解してもらうため、若者の無業率や就職後3年以内の離職率、高卒時の無業者割合、大卒時の無業者割合などの指標を地図上で都道府県ごとに表示する。
アスバシ教育基金の毛受代表理事は、「大学生の2人に1人、高校生の3人に2人は、卒業できなかったり就職できなかったり、就職しても3年以内に離職しているのが現状だ。その大きな理由は、若者にやりたいことや夢や目標がないことだ」と若者の就業力が低下している実情を説明。「とくに高校生の段階で、刺激のある実践的なインターンシップなどを体験して、自分の能力に折り合いをつけ、目標を探すことが大事だ。それをウェブサイトで支援する」と説明した。
「若者の就業力・起業力強化」チームの責任者を務めるアクセンチュアテクノロジー・コンサルティング本部の市川博久マネジング・ディレクターは、「高校生のインターンシップの実施状況は高くない。その理由は、教育機関の教師が多忙で、企業も教育側の意図を汲み取りにくい実情があるからだ。地域市民の関心も高くはなく、インターンの実施について寄付を集めることも難しかった。教育は、行政・教育機関が実施するものだという意識が強く、教育への投資が長期的には大人自身の将来に影響するという意識が低いからだ」と問題点を指摘。「寄付を集めるクラウドファウンディングの仕組みを設けたが、これだけでは不十分。社会課題を見える化して、関心が高い人だけでなく、地域市民全体が参加するよう、就労環境の全国マップを作成した」とウェブサイトの意義を説明した。
アスバシ教育基金とアクセンチュアは、「ユースアクティベーション」の目標として、2018年に高校生1万人に対してインターンシップを提供し、6億円の寄付を募ることを掲げている。
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