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BCN カンファレンス 2013、クラウド時代のITの「売り方」を提示、九州・国際テクノフェア2013と併催
2013/10/21 18:39
基調講演に立ったネットコマースの斎藤昌義代表取締役CEOは、「クラウド+(プラス)のシナリオ、地元だからできるポストSI時代のビジネス戦略」をテーマに熱弁を振るった。斎藤CEOは、「クラウド時代の到来によって、従来型のシステム・インテグレーションが縮小するのは間違いないが、大切なことは、クラウドによってもたらされる本質的な変化に着目してビジネスの転換を考えること」と指摘した。
そのうえで、「顧客のIT投資にはコア業務への回帰傾向があり、IT部門から業務部門に予算がシフトしていく。この流れに乗るためには、顧客にとっての価値向上にフォーカスして、人月単位ではない新しい収益モデルを模索するべき」と強調。これからのSIビジネスのあり方については、「仕様通りのコードの完成を目指すのではなく、マッシュアップ開発やアジャイル開発で、スケーラビリティやアジリティを重視した極力“つくらない開発”や“納品のない開発”を指向し、システムではなくサービスのインテグレーションに視点を移すのが生き残りのポイント」と持論を展開した。
続いて、ソリューションベンダー3社が、それぞれのセッションで自社の商材を参加者にアピールした。NECキャピタルソリューションICTアセットソリューション部の荒谷茂伸シニアディレクターは、モバイルセキュリティソリューションをPR。「モバイル環境のセキュリティレベルは社内システムのセキュリティレベルと同レベルに保つ必要があり、そのためにはSaaSのセキュリティソリューションを導入すべき」と話し、このニーズに対応したサービスとして、MDM、リモートワイプ、暗号化、クラウド型マルウェア対策などを紹介した。
参加者に対しては、「当社の商材を担いでいただけるなら、コミットメントはなく、一回限りの商談でも構わない。モバイルデバイスを使いたいユーザーへの提案の一つのエッセンスとして検討していただきたい」と呼びかけた。
日本マイクロソフトSMBマーケティング本部の川瀬透エグゼクティブマーケティングスペシャリストは、Windows XPのマイグレーションに合わせ、クラウド型グループウェア製品「Office 365」を提案することで「商談単価を拡大できる」と提案した。
パートナー向けに「Office 365」の販売プログラムも紹介。認定ディストリビュータのリセラーとして販売する方法や、ユーザーの「指名パートナー」として日本マイクロソフトの直販を仲介し、場合によっては「Office 365」を核としたソリューション構築も手がけて手数料を受け取るモデルがあることを説明した。川瀬エグゼクティブマーケティングスペシャリストは、「より手厚く金銭的に支援しているのは後者」と話し、このプログラムの積極的な利用を訴えた。
企業向けに特化したセキュリティソリューションのベンダー、ソフォスからは、チャネル営業本部の鈴木敏通シニアマネージャーが登壇。ユーザー社内のネットワークセキュリティ対策製品として多くの実績があるUTMや、モバイルデバイスを含むすべての端末に対するエンドポイント対策として、MDMソリューション「Sophos Mobile Control」を紹介した。
鈴木シニアマネージャーは、「セキュリティは、イコールアンチウイルスではない。大事なのは情報を守ること。ソフォスのUTMやMDMは、必要な機能をオールインワンでシンプルに提供できる」と、製品のメリットを説明した。
このほか、『週刊BCN』の谷畑良胤編集委員が、これからのIT商材の売り方について、ユーザーのニーズや市場のトレンドを踏まえ、あるべき方向を解説。「クラウドがドアノックツールとして通用するのはあと2年。ITシステムの棚卸しをしたうえで、所有するものと利用するものを選別して提案する必要がある。重要なのは、テクノロジではなくサービスレベル」と指摘した。(本多和幸)
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