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「日中サービスアウトソーシング企業懇談会」を開催、ITサービス振興で活発な意見交換
2013/09/26 18:34
懇談会は、中国政府でサービス貿易の促進を担う中国商務部服務貿易和商務服務業司が主催し、中国服務貿易協会とBCNが協力。駐日中国大使館の特別後援と、日本のIT/ITサービス関連産業など9団体の後援を得て開催した。
来賓として挨拶した中国大使館の羅暁梅経済商務参贊処経済商務処参事官は、「日中の経済関係は緊密で重要だ」と述べた。また、開催に協力した中国服務貿易協会の趙中屹執行役副会長は「中国のサービス産業の伸びしろは大きく、ビジネスチャンスも大きい」と中国でのサービス産業振興の重要性を説いた。
基調講演に立った中国商務部の賈峭羽副処長は、「中国は産業構造の転換が進んでいる」として、中国は過去30年あまりの改革開放の結果、飛躍的な経済発展を遂げたものの、これからの30年を見通すと、「これまでとは違う新しい発展の段階にきている」と指摘。IT関連産業では、経済発展に伴う人件費の高騰によって、日本からのオフショアソフト開発の発注量が伸び悩む副作用も出ているという。
中国有力ベンダーの軟通動力信息技術(iSoftStone)日本法人は、日本向けビジネスの改革ポイントとして、(1)成都や西安など人件費が比較的安定している中国内陸部の開発拠点を活用(2)日本国内のニアショア開発体制の強化(3)日本のITベンダーがもつ商材を活用した中国ビジネスの拡大――を挙げた。iSoftStone Japanの丹波嘉皓副社長は、「価格面の魅力が薄れているなかで、優秀な人材と、日本のベンダーと連携した中国ビジネスが対日ビジネス拡大のポイント」と話す。
EnMan Corporation社長で、アジアITビジネス研究会理事の今泉勝雄氏は、「今の日中ITサービスは、構造が『量より質』に転換している」と指摘。市場優位性を高めるビジネススタイルに転換すべきで、このためには「日中双方のプレイヤーが知恵を出し合い、中・長期的な視野をもったビジネスモデルの再構築を進めていくことが大切だ」と話した。
懇談会終了後には、中国商務部・中国服務貿易協会と共に来日した新疆ウイグル自治区のソフトウェア開発会社など5社が、日系IT企業との懇親会で交流を図った。(安藤章司)
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