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BCN、NCIなどと協力しSIer向けセミナーを開催、既存SIからの脱皮とクラウド市場への参入を提案
2013/09/20 18:34
最初のセッションに登場したネットコマースの齋藤昌義代表取締役は、「システムインテグレーション崩壊の危機!! ポストSI時代のビジネス戦略とは?」をテーマに講演した。
齋藤代表取締役は、従来のSIビジネスについて「クラウドの登場で、顧客の要望に沿ってウォーターフォール型で開発するシステム構築サービスは、ユーザーに受け入れられなくなり、縮小する」と断言。「SIerが生き残るためには、新たなビジネスを創出することが急務」と訴えた。
斉藤氏は、新たなビジネスモデルのカギはクラウドだと主張。「SaaS、PaaS、IaaSといったいくつかのクラウドがあるが、まずはどんなものであれ、クラウドに関わることが重要」とした。そして、クラウドを活用したITサービスベンダーは「『クラウドプロバイダ』『クラウドアダプタ』『クラウドインテグレータ』の3種類が存在する」と主張した。
「クラウドプロバイダ」はIaaS、PaaS、SaaSを提供するベンダーを指し、「クラウドアダプタ」は「クラウドプロバイダ」が提供するサービスでは足りない機能を提供するベンダー。「クラウドインテグレータ」は、いくつかのクラウドをユーザーの要望に合わせて提供するITベンダーを指すという。
また、「安価で迅速にITリソースを調達できるクラウドを利用することで、これまで資金力のある大手しか提供できなかったサービスを、中堅・中小のSIerでも手がけることができる」とエールを送った。
続いて登場したのは、エヌシーアイ(NCI)の下野昭一・サービス企画部部長。NCIは日商エレクトロニクスグループで、IaaSを強みにしているクラウドベンダーだ。下野部長は、プライベートクラウド「ZETA Cloud」を中心に、NCIがもつサービスを紹介した。
「横浜と大阪、石狩にデータセンター(DC)を設置して、セキュアで高速なネットワークを整備していることが私たちの強み。当社はもともとシステムの運用代行サービスからスタートした会社であり、プライベートクラウドの運用代行サービスもセットで提供できる。ユーザーとパートナーのみなさんに、運用の手間をかけることはない」と説明した。
また、「プライベートクラウドと運用をセットにして提供することで、SIerはアプリケーション開発などの本業に集中することができる。私たちはSIerのみなさんとの協業を推進している。パートナーの要望に添って柔軟に協業プランを考えるので、ぜひ相談してほしい」と提案した。
続いて、ミック経済研究所調査第二部の佐久間尚基研究員がITサービス市場の調査結果を解説した。「クラウドはSaaS、PaaS、IaaSのすべてがユーザーの業種を問わずに受け入れられ、安定成長する。なかでもPaaSとIaaSは成長率が高い」とした。
最後のセッションでは、NCIのパートナーとしてトランスコスモスが登場。システムインテグレーションサービス部の坂祥明部長代理が、大手証券会社のコーポレートサイトリニューアルプロジェクトを、NCIのクラウドを活用して成功させた事例を紹介した。「NCIは私たちの要望にきめ細かく対応してもらった」と、NCIとの協業が競争力の向上につながっているとした。
今回のセミナーは、定員を大幅に上回る参加希望者がいたなか、抽選で選ばれたITベンダー関係者が、4セッション合計で3時間のプログラムに最後まで耳を傾けた。従来のSIビジネスから脱皮し、新ビジネスに取り組もうと考えているITベンダーが多いことを印象づけた。
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外部リンク
エヌシーアイ=http://www.nisshoci.co.jp/
トランスコスモス=http://www.trans-cosmos.co.jp/
ネットコマース=http://www.netcommerce.co.jp/