ニュース
富士ゼロックスシステムサービス プラットフォーム戦略を推進 文字情報基盤でデファクトを狙う
2013/09/05 18:39
週刊BCN 2013年09月02日vol.1495掲載
オフィス長
現代の漢字は清朝時代に制作された康熙字典(約5万字を収録)がベースになっており、IPA(情報処理推進機構)の「IPAmj明朝フォント」も、日本固有の文字などを含めた約6万字で構成されている。本来であれば、これですべてカバーできるはずだが、実際は「3万字ほど足りない」(内藤健太・パートナーアライアンスオフィス長)というのだ。
富士ゼロックスSSは、自治体の戸籍電算化で60%超のシェアをもつトップベンダーで、電子化した文字はこれまで約9万字に達する。戸籍のなかには誤字や固有文字も含まれるが、「人名や地名だけに、他の字に置き換えたり、切り捨てたりできない」(内藤オフィス長)。従来は自治体ごとに個別にフォントを用意し、役所内だけで使えるスタンドアロン型で対応してきた。しかし、マイナンバーのように全国横断で文字情報を共有するには「IPAmj明朝フォント」でさえ不足してしまう。そこで「Web文字基盤サービス」では、全国で使える文字基盤を自治体関連システムを開発するITベンダーに有料で提供。これによって戸籍の電子化を通じて存在が判明している約9万字すべてを使えるようになる。
富士ゼロックスグループは、電子カルテの分野でも、文書管理部分を切り出し、オープンな共通サービスにすることで、スタンドアロンやベンダーロックからの離脱を推進。文字情報や文書管理などの共通的に使えるプラットフォームをおさえることで、関連ビジネスを有利に進める戦略を展開する。(安藤章司)
- 1
関連記事
富士ゼロックスシステムサービス 戸籍手続きのオンライン化に対応 CDCソリューションズと提携 今夏から自治体に提供開始
秒読みに入った「マイナンバー制度」 色めき立つ情報サービス業界