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バラクーダ、グローバル/アジア/日本のトップ3氏が語る成長戦略
2013/05/31 18:31
日本法人のバラクーダネットワークスジャパンでは、昨年末、長年外資系ITメーカーの日本事業の立ち上げに携わってきた林田直樹氏が社長に就任。林田社長は、バックアップの事業拡大を掲げ、インターフェースの日本語化やアプライアンスと連携するクラウドサービスの提供など、日本市場のニーズを重視した展開に力を注いでいる。
米国本社のジェンキンズCEO、アジア太平洋での事業を統括するジェフ・ハミューセス マネージングディレクター、日本法人の林田社長にビジネス戦略をたずねた。(取材・文/ゼンフ ミシャ)
──ジェンキンズCEOは、2012年11月にバラクーダネットワークスのCEOに就任されました。直近の状況を教えてください。
ジェンキンズ ひと言でいえば、とても順調です。2012年度(13年2月期)は、売り上げが3億米ドルに拡大しました。当社が得意とするミッドマーケットでは、データの管理・保護への需要が旺盛ななかにあって、ここ数年の間、売り上げを毎年20%増に勢いで伸ばしています。もちろん、営業利益もきちんと出ています。
売上構成は、米国市場が70%を占めています。お話しした通り、米国も含めて当社製品へのニーズは高いのですが、長期にわたって成長するために、海外ビジネスの強化が喫緊の課題になっています。有望なマーケットとして着眼しているのは、日本をはじめとするアジアです。
アジア市場の開拓を目指し、当社は現在、多くのオカネを動かしています。大型投資によって成長の基盤を築き、将来は米国とその他海外の売上構成を半々にしたいと考えています。
──日本法人は本社を移転し、オフィスが広くなりました。ジェンキンズCEOは、日本市場の可能性をどう捉えておられますか。
ジェンキンズ 私は前職のEMCコーポレーションで、14年間、グローバル関連の事業やプロジェクトを数多く率いてきました。日本をはじめ、アジアへは50回ほど出張しています。その機会に、とくにバックアップに関しての日本市場のポテンシャルを肌で感じてきたわけです。
アジア・太平洋地区の売り上げは、実は日本が大半を占めています。ここにきて、中堅企業でも、バックアップの重要性に対するマインドが高まりつつあるとみています。これをチャンスと捉えて、当社のバックアップ製品の特徴である「シンプルさ」を前面に押し出して、日本ビジネスをもっと大きくしたいと考えています。
──ハミューセス マネージングディレクターは、香港のオフィスでアジア・太平洋での事業展開をリードしていらっしゃいます。日本でのビジネスを拡大するために、ここ数か月はどのように動かれたのでしょうか。
ハミューセス 当社は販売のすべてをチャネルを通じて行っているので、パートナー体制の強化を進めてきました。日本法人と密に連携しながら、日本のディストリビュータやリセラーにバラクーダ製品のよさを示し、力を入れているバックアップ製品を販売していただくパートナーを数社獲得することができました。
今後の課題は、ファイアウォールのイメージが強いバラクーダを、いかにバックアップベンダーとして認知していただくかです。パートナーからも、認知度の向上に関しての強い要望が出ています。これからマーケティング活動に力点を置くことで、バラクーダをバックアップブランドとして立ち上げていきます。
──グローバルの方針を受けて、林田社長にはかなりのプレッシャーがかかりますね。
林田 その通りです(笑)。私は、ビジネスの成否を決めるのは、日本市場のニーズにいかにきめ細かく応えるか、ということだと思います。
日本の中堅企業には、英語が得意でないシステム管理者が多いので、社長就任からの約半年で、最優先でインターフェースの日本語化に取り組んできました。さらに日本独自の取り組みとして、アプライアンスをクラウドと連携することによって、二重のデータ保護を可能にするサービスを投入しました。
バラクーダネットワークスジャパンは、機器を販売パートナーに出荷する前に、日本側で検証を行います。これは、リソースが限られている海外メーカーの日本法人として、ユニークなことだと自負しています。こうして、日々、感じているプレッシャーをエネルギーに切り替えて、日本でのビジネスの拡大に生かしてまいります。
──どうもありがとうございました。
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