ニュース
米ネットスイート、「SuiteWorld 2013」に過去最高の5000人、製造業向けソリューションを新たな柱に
2013/05/16 18:31
14日、オープニングを飾る基調講演に登場したザック・ネルソンCEOは、2013年第一四半期の業績などを示し、急成長が継続していることを強調した。また、CRM(顧客関係管理システム)、ERP(統合基幹業務システム)、Eコマースを統合したビジネススイート「NetSuite」に製造業向けに生産管理機能などのモジュールを追加したことや、「NetSuite」と連携するクラウドアプリケーションの開発プラットフォーム「SuiteCloud」に関する新たな戦略として、「Built for NetSuite」という新たなアプリケーション認証制度を発足させたことを明らかにした。
直近の業績は、13年第一四半期の売り上げが9160万ドルで、10年前の03年第一四半期の75倍以上の規模に成長している。13年第二四半期の売り上げは1億ドルを超える見込みで、13年通年では4億800万ドルだという。また、12年決算の純利益は1910万ドルで、キャッシュフローは、5億4300万ドルだった。
ネルソンCEOは、これらの数字や、大手グローバルベンダー各社の12年売上成長率比較結果などを提示。「12年決算でオラクルやSAPがマイナス成長に陥るなかでネットスイートは49%の成長率を記録し、他のベンダーを大きく引き離している」と、事業の手応えを語った。
さらに、「『NetSuite』は、もともと起業家精神とイノベーションを大切にしている企業のための製品。現状維持のために導入するソリューションではない」と話し、既存のグローバルERPとの立ち位置の違いをあらためて鮮明にした。
製品戦略での発表の目玉は、「NetSuite」に製造業向けの標準的な生産管理システムの機能を網羅するモジュールを新たに追加したことだ。「複雑なプロセスをもつ製造業向けのソリューションをクラウドサービスで提供するのは簡単なことではない。まずは簡単な組立てなどに工程が限られる事業者向けの機能を開発・実装してブラッシュアップするなど、数年前から準備を重ねてきた」(ネルソンCEO)という。
また、製造業向けのソリューションでは、CAD製品などを手がけるオートデスクと提携することも明らかにした。オートデスクのクラウド型ソリューション、ライフサイクル管理製品「PLM360」と3D CAD「Fusion360」は「Built for NetSuite」の認証を受けており、生産管理や顧客管理などを製品デザインと融合させ、ユーザーの新たなイノベーションとビジネスの最適化を支援する。
「NetSuite」と連携するクラウドアプリケーションの開発プラットフォーム「SuiteCloud」は、今後の戦略の重要な柱の一つ。「SuiteCloud」を活用したアプリケーション「SuiteApps」の開発プログラムであるSDN(SuiteCloud developer Network)のメンバーは、現在7200人以上にのぼり、2万3000以上の「SuiteApps」がすでに顧客にインストール、利用されているが、「Built for NetSuite」は、今回新たな認証制度として発表されたプログラムだ。膨大なアプリケーションのなかで、「NetSuite」とスムーズに安定して連携し、ユーザーに大きな付加価値を与えられるものを厳選し、すでに8社/40アプリケーションが認証されている。
このほかパートナー戦略では、フランスの大手コンサルタントファームであるCAPGeminiがパートナーに加わったことを発表した。(本多和幸)
- 1
関連記事
ネットスイート、JSOLとソリューションパートナー契約を締結
<クラウドERPベンダー座談会>疑いようのないクラウドの潮流 いまや重要な選択肢に
外資系SaaSベンダー 日本攻略の軌跡 市場は甘いか しょっぱいか
「SuiteWorld 2012」レポート、米ネットスイートのザック・ネルソンCEO、「アップルのようなエクスペリエンスを」