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トレンドマイクロ 国産メーカーとの協業を強化 「Deep Discovery」の拡販につなげる
2013/05/09 18:31
週刊BCN 2013年04月29日vol.1479掲載
取締役副社長
同社は、「Deep Discovery」を米サーバーメーカーを製造元とする自社アプライアンスで展開するほか、国産メーカーにソフトウェアとして提供し、メーカーの機器に組み込んだかたちでの販売の拡大に取り組んでいる。
トレンドマイクロは、パートナー契約を結んでいるシステムインテグレータ(SIer)やネットワークインテグレータ(NIer)を通じて「Deep Discovery」を販売するルートも活用している。自社のハイタッチ営業で見込み案件を獲得し、パートナーが実売に結びつけるスタイルだ。しかし、販社から「外国製のアプライアンスは販売しにくい」という声が上がったことで、国産メーカーへのOEM供給をすることを決めた。
第一弾として、12年7月にNECとの協業を果たした。NECのPCサーバー「Express5800」に「Deep Discovery」を搭載したアプライアンス「Deep Discovery powered by Express5800」を発売した。
トレンドマイクロの大三川彰彦取締役副社長は、「この10か月の間、『Deep Discovery powered by Express5800』は15台以上の注文をいただいた」と満足げ。NECと組んだ共同展開に確かな手応えを感じているという。現在、富士通との提携に向けて動いているところで、「近々、正式に決めたい」(大三川副社長)としている。
「Deep Discovery」は、高度な技術を盛り込む標的型サーバー攻撃対策であることから、金融や製造といった業種の大手企業を主なターゲットに据えている。しかし、トレンドマイクロが国産メーカーとの協業による副次効果として期待しているのは、中堅・中小企業(SMB)の市場開拓だ。
NECの機器を活用する「Deep Discovery powered by Express5800」は、NECが大手企業向けの直販を行い、NECの有力販社である大塚商会がSMB向けの販売を手がけている。トレンドマイクロは、今後、富士通との共同展開が確定すれば、同じようなかたちで、富士通の販社網も活用してSMB市場にアプローチする。
標的型サイバー攻撃は現時点で、主に大手企業をターゲットとしている。しかし、その延長線で、大手企業と取引しているSMBも攻撃の被害を受ける可能性がある。トレンドマイクロは、SMB市場を開拓するために、「Deep Discovery」をSaaS型で提供することを視野に入れている。
とくに、大塚商会と取引関係がある地方に強い販社に期待しているという。NECなど、国産サーバーメーカーを入り口としてメーカーの販社を活用し、さらにその販社も活用することによって、「Deep Discovery」を大手企業からSMBまで幅広い市場に提供する戦略だ。
大三川副社長は、「国産メーカーはパートナーとして大変重要な存在だ。強固な関係を築いて、『Deep Discovery』の販売拡大につなげたい」としている。(ゼンフ ミシャ)
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