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TIAと四国IT農援隊 「第1回農業ITカンファレンス」を開催 IT化による農業の活性化を訴求

2013/03/07 18:31

週刊BCN 2013年03月04日vol.1471掲載

 徳島県情報産業協会(TIA、外山邦夫会長)と、四国4県のITベンダーによる農業ITの推進団体である四国IT農援隊は、2月6日、「IT企業と農業と地域の活性化」をテーマとするセミナー「第1回農業ITカンファレンス」を埼玉・さいたま市で開催した。セミナーでは、八つの企業・団体が、それぞれの農業ITの取り組みを紹介し、全国各地から集まったITベンダーの担当者ら約120人が聴講した。

渡邊基文氏
 肥料などの農業資材を扱う日の丸産業社の千葉哲也代表取締役専務は、農業関連企業としての立場から農家の現状を伝えた。千葉専務は、「約9割の農家がITを使っておらず、勘や経験に頼って農作物を生産している。また、どんぶり勘定なところがあって、経営的な視点をもつ農家も少ない」と厳しい現状を指摘。こうした農家のIT化を進めるために、「まずは、ITベンダーが農業を知ることが大事だ。そのうえで、農家に経営の意識をもたせるような教育を行ったり、知識のない農家でも簡単に扱うことができる製品を開発したりすることが重要」とした。

 四国IT農援隊は、こうした農家を支援するために構築したポータルサイトを紹介。この団体で主に高知県を担当している渡邊基文氏は、「安定した経営ができる農家を増やすために、はじめは営農者に対して情報システムを提案した。しかし、営農者のほとんどはITについての知識に乏しく、うまくいかなかった。そこで、まずはポータルサイトから始めることにした」と構築した経緯を説明した。ポータルサイトでは、営農者や農業資材会社、農業ITに取り組むITベンダー、農協(JA)などが、営農にかかわる情報を相互に共有することができる。営農者をサポートするネットワークを構築して、結果的にIT技術の活用につなげてもらう仕組みだ。

 ソフト開発会社である大和コンピューターの中村憲司社長は、農産物の高付加価値化を実現するシステム「EPCIS」を紹介した。ICタグを活用して、農作物の温度や湿度、養液濃度などの情報を管理するトレーサビリティシステムで、2009年にはメロン栽培の実証実験に活用している。中村社長は、「トレーサビリティを活用して物流業との連携を強めていけば、農産物の付加価値を高めることができる。これからの農業では、農産物の数量を見える化するだけでなく、個々の農産物の詳細な情報を見える化することが大事だ」と指摘した。(真鍋武)
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