BCN（奥田喜久男社長）は、2月19日、ワンビ（加藤貴社長）の特別協賛の下、朝食を摂りながら特定の話題について議論するSIer（システムインテグレータ）向けの「モーニングラウンドテーブル」を初めて開催した。SIerのマーケティング担当や営業担当ら10人が参加し、今回の議題であるスマートデバイスの法人利用について自由に意見を交わした。

　冒頭、谷畑良胤『週刊BCN』編集委員が挨拶。「BCNでは、セミナーやセッションといったかたちでイベントを開催しているが、今回は、講演者の話を聞くだけでなく、参加者全員で議論するラウンドテーブル。ざっくばらんに意見を交わして、今後の提案のヒントをつかんでいただきたい」と開催趣旨を説明した。

　続いてワンビの加藤社長が、モバイルセキュリティの市場動向について、「情報漏えいなど、モバイルセキュリティの問題が増えている。情報漏えいにつながるモバイルデバイスの盗難や紛失は、電車に置き忘れるなどといったヒューマンエラーが引き起こすケースが多い」と説明。「ワンビは、こうした事態に対応するため、デバイスのデータを遠隔地から消去するソリューション『トラストデリート』を提供している」とアピールした。

　続いて、10人の参加者が2組に分かれ、朝食を摂りながらフリーディスカッション。前半は、スマートデバイスの法人利用について、ユーザーに提案する際の課題や導入後の問題点を話し合った。「ソリューションの機能をいくらくわしく説明しても、『何を実現できるのか』を提案しなければユーザーに受け入れてもらえない」「現場でスマートデバイスを使う営業担当者からの反応はいいが、情報システム担当者には、セキュリティや運用コストの面から受け入れられにくい傾向がある」などが課題点として挙げられた。

　後半は、こうした課題を解決する方法を参加者が発表。「提案する企業が自社で導入するなど、事例を積み重ねて、効果が出たものをユーザーに提案してニーズとすり合わせていく」「セキュリティ機能だけでなく、導入後のサポートを充実させるなど、情報システム担当に手間がかからないことを訴求する」「社内の一部門から導入を進め、成果を確かめてもらいながら徐々に導入数を増やしてもらう」などの解決策が挙がった。

　最後に谷畑編集委員が、「スマートデバイスは、企業のコミュニケーションとワークスタイルを大きく変える可能性がある。ビジネスチャンスは大きい。セキュリティ対策など、導入を阻害する要因もあるが、今回のような議論を重ねることで、解決の糸口を見出してほしい」と述べ、ラウンドテーブルを締めくくった。（真鍋武）