2012年8月1日付で、サードウェーブグループの体制変更に伴って分社化したサードウェーブテクノロジーズ(野本卓社長兼COO)は、ターゲットを法人に特化してサーバーやパソコンなどを販売しており、順調に売り上げを伸ばしている。今年度(2013年7月期)の売上成長率は前年度比9%増を見込んでおり、来年度以降も10%前後の成長率を維持したいとしている。
野本卓
社長兼COO 同社は、大学や企業の研究所などをユーザーに据えて、検証用のサーバーなど特殊用途の製品を提供している。ユーザーのニーズを吸い上げてカスタマイズされた製品でユーザー企業を獲得。野本社長兼COOは、「特殊用途というニッチな市場ではあるが、ユーザー企業のサーバーやパソコンに対するニーズはさまざまで、既製品では満足しない状況になっている。ユーザー企業の声をしっかりと聞いて、要望に応じた製品を提供することがポイント」としている。高麗泰裕社長付は、「デジタルサイネージ向けコンテンツを配信するBOX型パソコンや、低消費電力と省スペースを実現しながらパフォーマンスが高いサーバー、用途に合った性能を提供するワークステーションのBTO化などで、リピーターを確保している」と自信をみせる。
高麗泰裕
社長付 ユーザー企業のニーズは、規模や業種に限らず複雑化している状況と判断して、ビジネス領域を拡大しようとしている。野本社長兼COOは「市場を見極めながら新規ユーザーを開拓していくが、最近では教育機関や研究機関以外でも製品を提供する分野は広がっている」という。
また、SIerが案件ベースでニーズに応じたサーバーの開発を依頼してくるケースがあることからも、一般オフィスでの拡販を視野に入れていくなど「法人に特化した会社として、分社化してビジネスの可能性を探ることができるようになった」(野本社長兼COO)としている。
同社は、従業員のうち営業と開発の人員が各50%、本社に組み上げ工場を設置して製販一体型で業績を上げている。(佐相彰彦)