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IDC Japan、2013年の世界IT市場を予測、「第3のITプラットフォーム」がカギに

2012/12/03 18:26

 IDC Japan(竹内正人代表取締役)は、2013年の世界IT市場を特色づける技術や市場トレンド、ベンダーの動きなど、主要10項目を発表した。

 2013年の最も重要な事象は、2012年と同様に、IDCが「第3のITプラットフォーム」と呼ぶ「モビリティ」「クラウド」「ソーシャル技術」「ビッグデータ」という四つのITの成長と大きく関わることになる。第3のITプラットフォーム上のビジネスで頭角を現すかどうかが、IT業界だけでなく、ITを活用する産業の競争力に影響を与えることになるという。

 IDC Japanが発表した2013年の世界IT市場予測は次の通り。

(1)世界のIT支出
13年の世界のIT支出は前年比5.7%増の2.1兆ドル超で、モビリティ、クラウド、ソーシャル技術、ビッグデータという第3のITプラットフォームと新興国市場の2桁成長に牽引される。

(2)新興国のIT支出
新興国におけるIT支出は前年比8.8%増の7300億ドルに達し、先進国の成長率の2倍、全IT支出の34%、全IT支出増加分の51%を占める。

(3)モバイルデバイス
スマートモバイルデバイス(スマートフォン、タブレット)のIT支出額は前年比20%増で、全IT支出の20%を占め、IT支出増加分の57%を占める。スマートモバイルデバイスを除くと、IT支出は前年比2.9%増しか見込めない。

(4)ミニが牽引するタブレットの急成長
8インチ以下の画面サイズをもつミニタブレットがタブレットの出荷台数の60%を占め、12年の33%から飛躍的に増加する。

(5)モバイルソフトウェアは総決算の年
ソフトウェア開発者からの「とても興味がある」という回答率が半数の壁を越えられないと、モバイルプラットフォームは衰退の道を歩み始める。現在、その回答率はマイクロソフトでは33%、RIMは9%である。

(6)SaaS技術の買収合戦が過熱
今後20か月の間にSaaS技術の買収に250億ドル以上が支出され、過去20か月の170億ドルから増加する。

(7)業種特化型PaaSの台頭
12年には100以下だった業種特化型のパブリッククラウドサービスプラットフォームが、16年までに10倍に増える。一方、水平型PaaSはコモディティ化する。

(8)事業部門トップの役割が増加
16年までにIT投資の80%以上の案件に事業部門トップが関わり、さらにその半数以上で、事業部門トップが最終意思決定者となる。

(9)第3のITプラットフォームデータセンター(DC)による市場破壊
コンバージドシステムとSDN(Software Defined Networks)がDC市場の成長を牽引し、市場シェアに変動をもたらす。BYOID(Bring Your Own ID)がエンタープライズセキュリティ分野にコンシューマライゼーションをもたらす。

(10)ビッグデータ ―― 検索から発見、予測へ
ビジュアル探索、予測分析、テキストとリッチメディア分析分野で、ビッグデータ技術の買収(M&A)が起こる。(信澤健太)
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外部リンク

IDC Japan=http://www.idcjapan.co.jp/top.html