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「MIJSカンファレンス in 上海 2012」、注目の日本食品マネジメントを紹介、中国IT市場への参入方策も
2012/11/29 20:11
基調講演は、安篤ロジスティクス・デザインの主席コンサルタントである中原安篤代表取締役による「成長する中国経済のなかで脚光を浴びつつある『日本の食品マネジメント』と『物流品質管理』」。中原代表取締役は、カゴメの食品生産の姿勢を例に、「カゴメは農家とともに野菜をつくることで、安心・安全にこだわっている」と紹介。洋菓子の香月堂では、現場から生まれた品質管理システムを導入して、質の高い洋菓子を提供しているという。中原代表取締役は「このような徹底的な品質管理がブランド力を高めている」とした。また、ITに関連する適した製品・サービスとして、「トレーサビリティ」を挙げた。
ITによる物流品質管理については、RFIDに代わる「カメレオンコード」を紹介。これは非接触型の画像解析技術の一つで、カメラで複数個を認識し、低コストで導入することができる。中原代表取締役は、「RFIDに代わる技術として物流の現場から注目を浴びつつある。今後、中国で有効なツールとして導入が進むだろう」と分析した。
ゲスト講演には、NTT DATA(中国)の岡野寿彦董事副総裁兼中国事業総経理が登壇。「中国IT市場への参入方策(事例に基づく一考察)」と題して、「中国参入に必要な要素は、戦略とブランド力と実績を高めたうえで、初めて自社の強みや商品、サービス品質などの『コアコンポーネンツ』、パートナーリングなど市場での『ポジショニング』、現地で優秀な人材を確保する『人材・組織』が成立する」と指摘した。
NTTデータも、まず中国の社会インフラの構築に協力し、オフショア開発の推進で優秀なパートナー企業を確保し、また日系・欧米系の重要顧客を中国でサポートし、そして自社ソリューションの中国国内への展開する――というフェーズを踏んできた。これによって、中国ビジネスが軌道に乗ったという。また岡野董事は、「日本で提供しているソリューションは、中国でバリューのあるソリューションとして認められることが多い。これでパートナーシップを組むことができる可能性が高まる」と説明し、「中国の文化を理解しながら、必要なことを遂行し、一歩踏み出してビジネスを手がけていくことが重要」と述べた。
最後に、日本マイクロソフトの西脇資哲エバンジェリストが、「エバンジェリスト養成講座」と題してプレゼンテーションの極意を講演。「グローバルで活躍する中国人は、プレゼンが非常にうまい。一方、日本人はどうか」と問いかけ、ビジネスの場で物ごとを人にきちんと伝えることの重要性を説いた。
プレゼンでよく使われる「パワーポイント」は、きちんと説明するためのツールであって、最も重要なのは話術という。中国人や米国人がプレゼンがうまいのは、話術にすぐれているからだという。西脇エバンジェリストは、「話術の向上させるには、何を伝えるのかを先に決めることと、伝えたいことに順位をつけること」とした。
また、西脇エバンジェリストは、「プレゼンによって、コンペで落とされるかどうかが決まる」として、「プレゼンの優劣によって、グローバルで勝ち抜けるかどうかも決まる」と指摘。ビジネスの現場で役立つプレゼンのテクニックを、参加者の目の前で実践しながら伝授した。(佐相彰彦)
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