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インフォコム 帳票のネット配信をスタート 企業間の利用を促進

2012/11/15 18:26

週刊BCN 2012年11月12日vol.1456掲載

 有力SIerのインフォコム(竹原教博社長)は、サービス事業拡大の一環として帳票配信サービスを立ち上げた。請求書や明細書などの帳票をインターネットを経由して取引先に配信するもので、向こう5年で累計300社、20億円の売り上げを目指す。帳票のネット配信は、携帯電話の利用明細など「企業対個人」ではすでに一般化しているが、インフォコムは、今後は「企業対企業」の利用拡大がさらに本格化するとみている。

 帳票配信サービスの名称は「クラウド型帳票Web配信サービス」で、11月1日にサービスをスタートした。請求書や明細書などの帳票をPDF形式で配信し、取引先などの受け手がダウンロードできる仕組みだ。企業で使う帳票のほとんどはデジタルで作成・管理されているが、「なぜか配信工程だけは、一度、紙に印刷して郵送していた。今回のサービスは、すべてデジタル化することで帳票にかかるコスト削減につなげる」(瀬川明彦・サービスビジネス営業部営業第二グループ課長)と狙いを話す。

 インフォコムの試算によれば、毎月5000通の帳票が郵送されているケースでは、郵送費や仕分け、封入にかかる人件費、印刷代などの諸経費を50%以上削減できる。郵便代がゼロになるだけでなく、「大量の帳票を印刷する必要がなくなるので、大型プリンタなどの台数を削減したり、小型のものと置き換えるなどのダウンサイジングしたりできる」(高山章源・サービスビジネス営業部営業第一グループ上級主任)というように、コスト削減効果は大きい。

 インフォコムは、これまでに帳票仕分けの「OpenBOST」や電子帳票の「NEOSS」、文書管理の「MyQuick」など、帳票や文書管理に関わる独自のソフトウェア製品を開発してきた。「OpenBOST」をはじめとする電子帳票関連では累計1000社余りの顧客を抱えており、うち7割ほどはSIerなどパートナー経由で販売してきた実績をもつ。帳票や文書のデジタル管理があたりまえになっている現在、「最後まで残っている郵送の部分をクラウド化する動きは、今後さらに活発化する」(瀬川課長)とみており、同業SIerを含む販売パートナーとの密接な連携でシェアの拡大を目指す。(安藤章司)

瀬川明彦課長(左)と、高山章源上級主任
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インフォコム=http://www.infocom.co.jp/