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弥生、最新の「弥生13 シリーズ」を発表、使い勝手やサポートサービスを強化
2012/11/06 18:26
「弥生13 シリーズ」は、2013年1月の復興特別所得税の施行を前に、「弥生給与 13」「やよいの給与計算 13」「やよいの見積・納品・請求書 13」が復興特別所得税に対応。とくに「やよいの見積・納品・請求書 13」は、復興特別所得税の適用で煩雑になった源泉徴収税額を自動算出することで、個人事業主の負担を軽減する。「弥生給与 13」「やよいの給与計算 13」は今年分の年末調整に、「弥生会計 13」「やよいの青色申告 13」は今年分の所得税確定申告(個人事業主)に対応する。
これまでの「弥生シリーズ」は、初めてソフトを導入する際、動画の「導入アドバイザー」と、全国各地で実施する「あんしん導入セミナー」を通じたサポート体制を整えてきた。今回、これら二つのサポートを統合し、オンライン動画形式での「スタートアップガイド」としてリニューアル。より広範囲な内容をカバーし、製品画面からワンクリックでガイドを呼び出すことができる。弥生ホームページで誰でも閲覧ができるので、購入を検討している段階でも視聴できる。
消費税の引き上げや、2014年4月のWindows XPのサポート終了で、バージョンアップが増える見込まれることから、バージョンアップ作業を改善。従来は、古いバージョンからバージョンアップするとき、最新のバージョンのデータ形式まで、何回もデータをコンバートする必要があったが、「弥生13 シリーズ」では、こうした煩雑な作業をなくして、直接コンバートできるようにした。対象は、「会計」「青色申告」が「06シリーズ」以降、「販売」は「07シリーズ」以降と「06NE」バージョン。
「やよいの見積・納品・請求書 13」は、昨年の発売後に寄せられた要望のなかでとくに多かった「帳票デザインテンプレートの種類」を大幅に拡充した。ユーザーは、サービス業や士業、建設業など、自社の業種やイメージに合ったテンプレートを自由に選ぶことができる。「弥生顧客」は「弥生13シリーズ」で製品の位置づけを変更し、「やよいの顧客管理 13」として提供。これに伴って価格を見直した。
弥生製品で保持しているデータは、他のソフトやサービスでも活用できるようになった。「弥生販売 13」「やよいの見積・納品・請求書 13」「やよいの顧客管理 13」は、顧客情報や得意先情報を送り状発行システム用のデータとして書き出すことができる。宅配便会社が提供している送り状発行システムに取り込むだけで、レーザー/インクジェットプリンターでシール式送り状を簡単に作成。ハガキ作成ソフトとの連携も強化し、ハガキ作成・宛名印刷ソフト用の標準データフォーマットであるContactXML(Ver.1.1a)形式で書き出すことができる。
有償サポートの「あんしん保守サポート トータルプラン」は、日常の業務全般をバックアップする新たなサービスを加えた。年末調整や確定申告など、最もサポートを必要とする時期には、土曜日も電話サポートを行う。個人事業主の確定申告について、申告書の記載方法やe-Tax(国税電子申告・納税システム)の操作方法など、基礎的な質問に回答する。製品を購入後、ユーザー登録すると、自動で無償の「あんしん保守サポート」を最大で3か月適用する。その後、「社会保障と税の一体改革」あんしんキャンペーンに申し込むことで、最大で15か月の無償サポートを提供する。キャンペーン期間は、2012年11月30日から2013年12月31日まで。
なお、次期「弥生14 シリーズ(仮称)」は消費税8%に対応。消費税10%に関しては、軽減税率など、現時点で確定していない事項や、消費税確定申告など、法令解釈通知で書式が確定するものを除いて、基本的には対応する姿勢だ。
現行の「弥生12 シリーズ」は、12年度の市場の本数シェアが53.3%に達し、金額ベースでは69.4%を占めるに至った。「『12 シリーズ』ではじめて本数シェア50%の大台を超えた」(岡本社長)。登録ユーザー数は100万ユーザーを数え、累計出荷本数は360万本を超えている。今年9月3日、正式にサービスの提供を開始した「やよいの店舗経営 オンライン」は、100ライセンス超の実績をもつ。
弥生は、2012年9月期に売上高で初めて100億円を上回り、過去最高の営業利益を達成した。岡本社長は、「5年越しのチャレンジだった。リーマン・ショックの影響があってなかなか果たせなかったが、ようやく100億円を突破できた」と感慨深げに話した。(信澤健太)
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