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レッドハット、プライベートイベントを開催、ジム・ホワイトハーストCEOが講演

2012/10/26 20:10

 レッドハット(廣川裕司社長)は、10月23日、「今すぐ実現するオープン ハイブリッド クラウド」をテーマに、ユーザー企業向けのプライベートイベント「RED HAT FORUM 2012」を東京・恵比寿で開催した。イベントでは基調講演のほか、スポンサー企業によるセッションや展示会が行われた。

 イベント冒頭の挨拶で、廣川社長はグローバルでのOSS(オープンソースソフトウェア)の勢いを説明。OSSのエンジニアが100万人を超え、10万を超えるOSSプロジェクトが進んでいることや、OSSのカバー領域が分散処理、クラウド管理、ネットワーク仮想化、ストレージ仮想化、ビッグデータへ広がっていることを紹介した。

 廣川社長は、OSSをそのままミッションクリティカルな領域で使用することについて、「安定性・信頼性・アプリケーションとの互換性・セキュリティなどの面で問題がある」と指摘。そのうえで、「レッドハットの価値」として、「ミッションクリティカルな領域でも利用できるエンタープライズレベルの製品を提供していること」「ユーザーからの要望を広く聞き入れ、選択肢を提供し、30万人の開発コミュニティとともに製品を絶えず向上していること」を挙げた。最後に、「レッドハットは、もはやLinuxだけの会社ではない」として、ミドルウェアや仮想化、クラウド、ストレージに事業領域を広げていることを強調した。

レッドハットの廣川裕司社長

 続いて、米レッドハットのジム・ホワイトハーストCEOが「情報の大変革とテクノロジの標準化」と題して基調講演。「フォーチューン500企業の約80%が、レッドハットを利用している。またレッドハットは、OSS専門の企業として初めて売り上げ10億ドルを達成した。今後は13億ドルを目指す」と業績をアピールした。

 さらにホワイトハーストCEOは、OSSで標準化することの重要性を、産業革命とネジに例えて論じた。「1760年頃に起きた産業革命は技術の革新をもたらしたが、技術が標準化されていなかったために、ボルトを一つひとつ手づくりでつくっていた。しかし、1870年頃にボルトが標準されたことで、GDPは30年ごとに2倍に成長するようになった。クラウドも、これと同じだ。別々のコンポーネントではなく、標準化されたものでなければならない。レッドハットのOSSは、コンポーネントをコモディティ化して、選択肢や柔軟性を提供する」と説明した。(真鍋武)

米レッドハットのジム・ホワイトハーストCEO
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外部リンク

レッドハット=http://jp.redhat.com/