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東芝情報システム ヘルスケア事業を3倍へ 周辺分野との連携加速
2012/10/18 20:11
週刊BCN 2012年10月15日vol.1452掲載
この背景には、病院や診療所、介護・福祉施設、健診・予防医療機関といった、地域全体をネットワークで結んで電子カルテやレントゲン、CTスキャンなどの医療用画像の保管通信システム(PACS)を共有する「地域医療連携ネットワーク」の潮流がある。大規模病院で電子カルテやPACSが普及する一方で、中堅・中小病院や診療所の電子カルテの普及率は「大病院のように8~9割というわけにはいかない」(同)とみる。保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)の資料でも200床未満の中堅・中小病院の2015年の電子カルテ普及率は50%と予測されている。
そこで打ち出したのが、地域医療連携ネットワーク全体をカバーするスマートコミュニティ的アプローチだ。とりわけ、介護・福祉や在宅医療の現場で使うIT機器は、NTTドコモの「らくらくホン」のような誰でも使える簡便なアプライアンス(専用装置)型が望まれるケースが多い。
東芝情報システムは、組み込みソフトの技術に長けたSIerであり、また東芝グループ全体を見渡せば、医療用のハードウェアも数多く手がけている。ハードとソフトを組み合わせた商材を強みとして、地域医療連携ネットワークシステム全体を見据えたビジネスを組み立てる。こうした施策によって、向こう5年でヘルスケア事業全体の売り上げを3倍に増やそうとしている。(安藤章司)
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