ニュース
ノークリサーチ、国内クラウド市場調査報告、企業規模で取り組みに格差
2012/09/20 20:09
国内クラウド市場規模は、12年が821.0億円、13年が1123.4億円で、11年に発表した予測金額(12年836.5億円、13年1145.7億円)に比べて低い数字となった。ソフトウェアベンダーが自らクラウド基盤を構築したり、IaaSやPaaSを活用したりして、SaaSへの取り組みを加速した結果、SaaSの価格競争が起き、ユーザー企業の品質と価格に対する要求が厳しくなったことが要因としている。
年商50億~100億円未満の中堅下位企業層では、11年の予測金額からクラウド関連の投資額がやや高くなると予測。年商100億円以上の企業と比べると企業規模によるスケールメリットを享受しにくい一面はあるものの、IT活用を担う社内人材が不足するなど、中長期的なプランを策定したうえでクラウド活用を実践することが難しいので、結果的に投資額が高止まりしやすいと分析している。
14~15年はSaaSを中心に価格下落が進むが、クラウドを適用できる業務場面が広がることで、11年の予測(14年1402.0億円、15年1823.0億円)よりも市場規模は大きくなり、14年が1450.5億円、15年が1886.7億円になるとしている。
16年の市場規模は1931.2億円で、12~16年の年平均成長率(CAGR)は23.8%と予測。このうち年商5億~50億円の中小企業のCAGRは2.7%で、年商50億~500億円の中規模企業では27.4%とした。年商100億円未満の企業では、SaaSを適用する業務システムの選定/導入が一巡することで、一時的に市場規模が縮小する可能性があるが、年商100億円以上の企業のIaaSの活用などによって既存システムのクラウド移行範囲が大きくなり、全体の市場規模は拡大する。(真鍋武)
- 1
関連記事
ノークリサーチ、SMBにおける基幹業務向けクラウドサービスの活用実態を発表
ノークリサーチ、中堅・中小企業での無償クラウドサービスの業務利用状況を発表
IDC Japan、国内クラウド市場のユーザー動向調査結果を発表、近い将来に淘汰の波
ラネクシー、クラウド移行状況とデータ消失リスクについて調査レポート発表
IDC Japan、国内パブリッククラウド市場を調査、11年は前年比45.9%増の662億円に