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インフォテクノス、タレントマネジメントの人件費分析・シミュレーションモジュールを発売
2012/08/29 10:50
「Rosic 人件費分析・シミュレーションモジュール」は、「経営に貢献する人事」と「数字に強い人事」がコンセプト。人事担当者の手作業をシステム化を通じて効率化し、人件費の変化のシミュレーションや予算実績の見える化による期中予算の修正を支援する。
インフォテクノスの斉藤由美取締役は、「『マネジメント支援から意志決定支援へ』を重要なキーワードとして捉えている。今は業務を効率化するだけではなく、人事業務の品質の向上が求められている」と説明し、「Rosic」をシミュレーション機能を備えた人材情報のBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールと位置づけた。
「Rosic」の特徴を表すキーワードが、スピード、正確性、手軽さ、見える化、拡張性の五つ。人件費分析やシミュレーションに使う元データとなる人事情報を格納しているので、事前準備作業がほとんどない。約3000人の給与実績集計(年間)を約1分、シミュレーション計算(年間)を約3分で実行する。給与支給実績データと時系列管理されている個人属性(組織、従業員区分、役職、資格、職種など)は、組み合わせてそのまま人件費分析とシミュレーションに利用できる。計算ロジックはパラメータ化して提供する。
人件費の分析項目(登録固定費/変動費分析、手当分析、時間外手当分析など)、人件費シミュレーション計算のパラメータを複数バージョン設定したり、分析結果をリアルタイムにグラフ表示したりすることもできる。このほか、業務委託費や出向者負担金など、会計システムから取得したデータを同一テーブル上に取り込んだ人件費シミュレーションに対応する。現在は、昇給・昇格率や採用・退職率の変数などを過去のトレンドから自動算出し、中長期の人件費をシミュレーションできる機能を開発中だという。
価格は、「管理する対象人数によって異なるが、従業員1000人の企業の場合で『Rosic 人材マネジメントシステム』が1000万円程度。『人件費分析・シミュレーションモジュール』が500万円程度」(斉藤取締役)という。
パートナー企業であるT4Cは、大手企業を対象に「Rosic」を販売する。T4Cの山下崇文代表取締役は、「一番のネックは『Rosic』の知名度。アポイントの壁を越えることがポイントだ」と話し、すでにテレマーケティング企業を通じて従業員5000人以上の大手企業40社、100部門にアプローチしたという。このうち10社で商談が進行中だ。T4Cが導入を手がけたSAPシステムのユーザー企業に対する営業も、並行して進める。SAPの競合に「Rosic」の名前がよく挙がるので、それぞれに営業部隊を設けたという。
2012年8月末時点での「Rosic」導入企業は46社。2013年は3億円(ライセンス/導入支援)の売り上げを目指し、2014年までに100社での導入を目指している。(信澤健太)
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