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IDC Japan、国内サーバーの利用状況調査、垂直統合型製品での「理想と現実」が明らかに
2012/07/23 14:38
IDC Japanは、垂直統合型製品のシステム構成要素を5カテゴリに区分けし、ハードウェアとその他の管理ツール(統合レイヤ1)、仮想化プラットフォーム(統合レイヤ2)、オペレーティングシステム(統合レイヤ3)、データベースソフト(統合レイヤ4)、アプリケーションソフト(統合レイヤ5)と定義した(図1参照)。
ユーザー企業が挙げた「垂直統合型製品に求める最適な統合の範囲」は、ハードウェアからアプリケーションソフトまで統合したもの(統合レイヤ1~5)が最多だった(図2参照)。サーバーベンダーが提供する垂直統合型製品も、統合レイヤ1~5が多い。
しかし、実際にユーザー企業が採用している、もしくは採用予定がある垂直統合型製品は、ハードウェアからデータベースソフトまでを統合したもの(統合レイヤ1~4)だった。
ユーザーが求める製品と、サーバーベンダーがラインアップを充実させている製品が同じなのにもかかわらず、実際に販売が伸びているのはアプリケーションソフトを除いた製品であるという結果が出た。IDC Japanは、統合されるアプリケーションの機能やコストなどが、ユーザー企業のニーズに合致していないと指摘している。
また、他社製品への乗り換えが困難なシステム構成要素として、ユーザーは「データベースソフト」「サーバー」「オペレーティングシステム」「アプリケーションソフト」を認識。IDC Japanは、「サーバー」と「オペレーティングシステム」は標準化が進んでおり、差異化を追求すると価格競争力が低下するので、ベンダーは「データベースソフト」「アプリケーションソフト」を中核に据えるべきだとしている。
福冨里志サーバーリサーチマネージャーは、「IT部門が現在取り組んでいる最優先課題は運用管理の効率化で、垂直統合型製品の構成要素として統合運用管理ツールの重要性が増すだろう。中期的にはサービスを自動化し、負荷に応じてシステムリソースを動的に配分する機能を拡充することが不可欠」としている。(真鍋武)
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