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【特報】MIJS、タイのソフト団体・機関と覚書を締結へ
2012/05/18 10:49
MIJSと覚書を結ぶのは、タイ国立科学技術開発庁下の政府機関でタイのソフトウェア産業発展のために設けられたソフトウェア産業開発振興区のSWP(Software Park) Thailand、タイ初の情報技術プロフェッショナルアソシエーションであるATCI(Association of Thai ICT Industry)、タイのソフトウェアの輸出を推進するTSEP(Thai Software Export Promotion Association)の3団体・組織。
ATCIのメンバーは、ハード/ソフトベンダーや販売会社となる代理店、サービスプロバイダなどで、参加企業のマーケットシェアは、タイIT市場の8割以上を占める。またTSEPは、タイのソフトを海外に展開し、特定分野で高いシェアを確保するために活動している。覚書の締結によって、日本とタイの間で、各国のソフト市場の動向や企業・製品の紹介、事業開発などの情報交換をするほか、両国でカンファレンス、シンポジウム、会議などを開催し、協力関係を築く。
ジェトロバンコク事務所によれば、タイはASEANのなかで4番目に多い人口(約6900万人)を抱え、世帯可処分所得が年間1万5000~3万5000ドルのアッパーミドル層が増加。一人あたりGDPの伸び率は、マレーシア、中国に次ぎ、2017年には平均が6000ドル弱から8000ドルに達する見込みだ。ジェトロバンコク事務所の橋本逸人ディレクターは、「東アジア地域のGDPは、2017年には世界の約40%を占める。なかでもタイは日系企業の進出が多い国で、08年度の調査では製造業を中心に約4000社が進出している」と、成長著しい東アジアのなかで日本の産業界が市場を伸ばすために、タイは魅力的な地域と強調する。
タイで人材紹介業を営むパーソナルコンサルタンツ・マンパワータイランドの小田原靖社長は「10年前までは、タイに進出する外資系企業の9割は日系だったが、中国、韓国の企業進出が著しく、現在は2割に満たないだろう。それでも日系企業への人材紹介は、当社だけで月200人程度はあり、昨年のタイ洪水にもかかわらず増え続けている」という。小田原社長は、親日家の多いタイは日系企業にとって進出しやく、今後さらに重要な地域になると分析している。
MIJSのメンバーのなかにも、こうした経済環境に目をつけてタイ進出を狙うベンダーが多い。昨年度からは海外展開委員会で東アジア市場の勉強会を実施し、タイの現地IT企業とのアライアンス強化の重要性を確認してきた。それを具体的に推進する方策として、今回タイのIT団体・機関と覚書を結ぶことにした。具体的な活動内容は、締結後に交渉する。
MIJSは、2010年4月に中国・成都のソフト団体である成都市軟件行業協会(成都市ソフトウェア協会)と、また同年4月には台湾のITベンダーが加盟する中華民国情報産業協会(CISA)と、今年4月には、香港と中国をはじめとする地域でソフト産業開発を促進するISIA(Information and Software Industry Association)と覚書を締結している。(谷畑良胤)
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