ニュース
情報システム学会 対応急務のアレキシサイミア 中小ベンダーの悩みを解消
2012/05/10 10:49
週刊BCN 2012年05月07日vol.1430掲載
伊藤重隆副会長 |
学会で出した解決策は、技術者の能力開発に重点を置き、技術上の問題などを積極的に吸い上げて技術者を孤立させないことだという。「社内で的確に問題を解決する体制や仕組みを構築しなければならない」としている。具体的には、プロジェクトメンバーが作業前に話し合う「ツール・ボックスミーティング」やプロジェクト全体をチェックする「ウォークスルー会議」の採用が技術者が孤立させない策の一つになる。「技術者が不安や悩みを抱え込まないよう、経営者にはストレスマネジメント能力の育成に尽力してもらいたい」とアドバイスしている。
ただ、中小SIerは経営者自身が生き残るために悪戦苦闘しており、従業員を守りきれないケースもあるとのことから、「政府にも対応してほしい」との考えを示す。そのため、学会では厚生労働省などに実態調査を要請。政府に対して、IT業界の特質を踏まえた状況の把握と具体的な対応策の明確化や、アレキシサイミアと抽象化能力との関係性などの明確化を求めている。伊藤副会長は、「タフで強い人でも本人が自覚しないままストレスを蓄積することもある。早急な対応が必要」と警鐘を鳴らしている。(佐相彰彦)
- 1
関連記事
ISSJ、竹並輝之会長に聞く学会の方向性、「ビジネスに直結」がキーワード