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米IBM、「第三世代のコンピューティング時代が来る」、年次イベントでロメッティ新社長がメッセージ
2012/03/01 20:07
ロメッティ社長兼CEOは、登場するなり身振り手振りを交えながらプレゼンテーションを開始。時には会場のビジネスパートナー(BP)からコメントを求めるなど、聴衆を喜ばせる演出もあった。参加者に「パートナーの皆さんに考えてほしいことは、これからどうするかということだ。私は10年前に『PCの時代は終わる』と皆さんに告げ、それがいま現実になった。そして、ここから新しい時代が始まる。すでに『ビッグデータ』はバズワードでなくなっている」と語りかけ、さらには「第三世代のコンピューティングの時代」の到来を告げるなど、メッセージ色の強い発言が相次いだ。
ロメッティ社長兼CEOは、「これからはビッグデータを活用したスマートオフィスの構築に動く時代になる」としながら、BPに向けて「新しいテクノロジーに乗り遅れないでほしい。バックオフィスはもとより、フロントオフィスで事業を動かすシステムが重要になる」と要請。IBMが提唱する「Smarter Planet(スマータープラネット)」を具現化するクラウド環境やビッグデータの処理システムなどを拡充するので、これを「早い段階で吸収してほしい」とした。
最も時間を割いたのは、ビッグデータに関してだった。企業内のデータは、5年ごとに10倍に拡大する。そのデータの80%は、非構造化データで占められる。ビッグデータを捌くシステムの例として、ロメッティ社長兼CEOは、米国のクイズ番組「Jeopardy!」で人間のクイズ王と対戦して勝利した最新プロセッサ「Power7」搭載のコンピュータ「Watson(ワトソン)」を挙げた。
「第三世代のコンピューティング」については、「第一世代が電子計算機、第二世代がオフィスコンピュータ、そして第三世代がこのワトソンだ」と説明。「これからは、コマース領域やモバイル・ソーシャルメディアの領域で、非構造化データが増える。このデータをうまく使えるかどうかで、企業が勝者になるか敗者になるかが分かれる」と語った。IBMの調査によると、企業のCMO(営業戦略担当責任者)の75%は、急速に増え続ける非構造化データに対する準備ができていないことから、「ビッグデータに関連したビジネスにチャンスがある」と訴えた。(谷畑良胤)
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