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IDC Japan、OSSの利用・採用状況を調査、ユーザーもベンダーもOSS活用が成長のカギ
2012/01/11 20:04
使用しているOSSの種類は「OS」が最も多く、次いで「ウェブサーバー・アプリケーションサーバー」「メール・グループウェア・コラボレーションツール」「データベース管理システム」が続いた。
OSSを使用するメリットは、「導入コストの削減」が53.2%と最も多く、次に「運用保守コストの削減」(32.7%)が入り、OSSをIT費用の圧縮の目的で導入するユーザー企業・団体が多いことが分かった。一方、OSS使用のデメリットとしては、「緊急時のサポートが迅速に受けられない」が34.0%でトップ。「ITベンダーやSIerのサポートが継続して受けられるかどうか不安」との回答も25.6%と多く、導入後のサポート体制に課題がある。
ITベンダーを対象に行ったOSSの採用動向調査では、過去3年間でOSSを使用したプロジェクト数が「非常に増えている」と「増えている」の回答が合計で37.3%に達した。「減っている」という回答は少なく、OSSプロジェクトは増加傾向にある。
また、OSSの使用実績と過去3年間の売上高の相関関係を分析した結果では、OSSの使用実績が多いと回答したITベンダーの37.2%は売上高が増加し、OSSの使用実績が少ないと回答したITベンダーで、売上高が増加した回答したのは15.2%にとどまった。
IDC Japanの入谷光浩・ソフトウェア&セキュリティシニアマーケットアナリストは、「OSSを活用することは、ユーザー企業にとってもITベンダーにとっても、今後のビジネスを成長させるための重要な要素。ただ、サポートに対する懸念やエンジニア不足など、解決していかなければならない課題も多い」と指摘している。(木村剛士)
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