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ウチダエスコ 売上指標を重視 “量”と“効率”で単価下落をカバー

2011/12/01 20:04

週刊BCN 2011年11月28日vol.1409掲載

 内田洋行グループで保守サービスを手がけるウチダエスコ(武井均社長)が、売り上げ拡大に向けた取り組みを加速している。年内をめどに修理センターを拡充するとともに、2011年10月からは、iPhoneやiPadなど、iOS製品の修理対応をスタート。「売上指標へのこだわり」(武井社長)をもって、保守サービスの量の拡大を目指す。

武井均社長
 ウチダエスコが売り上げや保守サービスのボリュームにこだわるのは、ハードウェアの単価下落に伴う保守料金の低減や、クラウド化・仮想化によるサーバー統合で実質的なユーザー自身が管理するサーバー台数の伸びが頭打ちになっていることが背景にある。

 同社は、修理受付窓口の一本化を徹底し、全国の拠点は本部から割り振られた保守サポート作業に専念できる体制を強化。さらに協力会社との連携や、各拠点が受けもつテリトリーを相互に広域化し、時期によって繁閑のバラツキがある保守ニーズを柔軟に吸収する取り組みを重点的に行ってきた。この結果、2004年頃に比べて、直近では出張保守サービスの稼働数が約2.7倍に高まってきた。武井社長は、「保守価格がざっくり半額になったとしても、採算が合うようにすることを目標にして、体制整備に取り組んできた」と胸を張る。

 さらに2011年10月からは、スマートデバイスの代表的存在であるiPhoneやiPadなど、iOS製品の修理対応を開始した。年内をめどに修理センターのラインを拡充し、前年比2割ほど修理能力を高める予定だ。ハードウェアの単価は下がっても、スマートデバイスの普及が象徴するように、企業や学校、個人などが所有するデバイスの絶対量は増えている。ウチダエスコはこうした“量”を効率よく取り込んでいくことで、今期(2012年7月期)は連結売上高118億円(前年度比5.5%増)を目指す。(安藤章司)
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