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米HP、パソコン事業の維持と継続展開を決定
2011/10/28 10:37
グローバルのパソコン市場でシェア1位の米HPは、今年8月に「パソコン事業の子会社化を検討中」と発表。パソコン事業を本体から切り離し、経営資源をクラウドコンピューティングに集中する動きをみせ、世界各国のIT業界に大きな波紋を起こした。
パソコン事業の子会社化を打ち出したのは、当時、米HPのCEOを務めていたレオ・アポテカー氏だ。氏は事業方向をサービス中心型のビジネスに変えるなど、HPの大胆な事業再編に取り組んでいた。しかし、9月に突然CEOが交代し、新CEOのメグ・ホイットマン氏の就任後、同社はパソコン事業の「戦略的位置づけの検証」に入ったとして、パソコン事業売却に関する発言はトーンダウンしていた。
BCNが10月14日に開催した「BCN Conference」で、日本HPパートナービジネス統括本部の玉利裕重統括本部長は、パソコン事業の行方について「米国本社は、いま『売却』『独立化』『社内に残す』のいずれかの方法によって、パソコン事業の今後を考えている。最終決定については、現時点でまだ何ともいえない」とコメントした。
米HPのホイットマンCEOは、PSGに維持・継続展開の発表に合わせて、「PSGの独立分社化に伴う戦略、財務、営業面などでの影響について客観的な評価を行った。評価分析の結果、PSGを維持することが、ユーザーやパートナー企業、株主、当社社員のために、最適な判断であるという結論に至った」と語っている。PSG単体での2010年度の売上高は、407億ドルに達している。(ゼンフ ミシャ)
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