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「ニッポンクラウド ワーキンググループ」設立、中立の立場でクラウド推進
2011/10/19 10:37
NCWGは、クラウドビジネスとビジネスユーザーをシームレスに接続する「グランドクラウド」を目標に掲げる。ベンダーによらない中立的なアプリケーション基盤「サムライクラウド」を軸に、ISP、ISV、SIerが製品・サービスを提供する環境構築を支援し、ビジネスモデルなどをともにつくり上げながら市場の拡大を目指す。
小堀会長(北斗システムジャパン)は、NCWG設立の意図を「『サムライクラウド』ではアプリケーション同士をID連携によるシングルサインオン(SSO)、データ連携、ユーザーインターフェース(UI)の連携の三位一体で接続させる。これらを実現して『グランドクラウド(=インタークラウド)』にしたい」と話した。
NCWGは、アプリケーションプラットフォームを構築する技術検討を行う「サムライクラウド部会」と、その上でビジネスモデルを作り出す「クラウドビジネス推進部会」で構成。月に一度の定例会合でメンバーの関係を深めるとともに、1年後をめどに一般にも活動を公表する場を設ける予定だ。
NCWG副会長で「サムライクラウド部会」部会長の藤田浩之氏(オレガ)は、部会の概要を「ID管理によるSSO、UI連携による操作性の統一、関連性の強いアプリケーションのデータ連携をできるようにすることで、アプリケーションプールから、ユーザーが選んだアプリケーションを一つの統合されたシステムのように使うことができる。個々のアプリは一機能や業種業務特化でいい。それをユーザーが選択して活用できる価値が無限大で、連携するアプリを増やしたい」(藤田氏)と説明した。
また、副部会長の樋口尚寿氏(オレンジソフト)は、進行しているプロジェクトの一つ、「サムライフェデレーション」について 「グランドクラウドを構築するうえで、ID、UI、データの連携を三位一体で提供することに取り組んでいる。そのために各ベンダーが提供するアプリケーションをガジェット化し、単一アプリケーションの機能として提供することで、無限に組み合わせて利用する仕組みを用意する。SNSのアプリケーションに用いられる標準のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)「OpenSocial」を採用した。『サムライクラウド』をOpenSocialのビジネス利用の標準にしたい」と話した。
今後はサムライクラウド対応ガイドラインと、API公開を2012年2月に開始する予定。また、同時に各種OpenSocialサービスとの接続性検証も開始し、ほかのOpenSocial対応のアプリとも連携できるようにする予定。
「クラウドビジネス推進部会」部会長でもある小堀氏は、「例えば、IaaSベンダーをまたいで、さまざまなことに取り組むなど、中立だからできることがある。震災対応など、今後やるべきことはたくさん出てくる」と話した。
会員企業は、アーク情報システム、アプレッソ、アラタナ、アルゴブレイン、アルティネット、イナゴ、エイムラック、HDE、エスエーピーエスプリ、オープンソース・ワークショップ、オレガ、オレンジソフト、クリエイトラボ、ゴーガ、サーバーワークス、サテライトテクノロジーズ、JCCH・セキュリティ・ソリューション・システムズ、三三、システムフレンド、シックス・アパート、SugarAndSalt、セシオス、WSL JAPAN、ディアイピィ、データ変換研究所、日本シー・エー・ディー、日本セパレートシステム、ネットエージェント、ネットフォレスト、ハマゴムエイコム、ファバ、Fullon、北斗システムジャパン、マインド、マキシマイズ、ユニバーサルロボットの37社。(鍋島蓉子)
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