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JDAソフトウェア・ジャパン、国内事業拡大へ、三つの重点領域で攻める
2011/09/16 10:37
JDAソフトウェアグループは、2010年度の連結売上高が過去最高の6億1700万ドル、経常利益が2億6700万ドルで、24四半期連続で黒字を計上している。日本を含むアジア・パシフィック地域の売り上げは10%で、JDAソフトウェア・ジャパンは、このうち30%~40%を稼ぎ出している。イオングループや住友化学、味の素、富士フイルム、NEC、JR東日本など、150社以上の大企業をユーザーに抱える。
JDAソフトウェア・ジャパンが重点領域の一つに掲げる「シェルフ・コネクテッドサプライチェーン」は、原料の製造から小売りまでの情報を一貫して連携し、サプライチェーンを最適化することで、利益率を改善するというもの。海外では、完成品在庫を40%削減したソニーや、POS管理の改善で欠品を50%削減したP&Gなど、大きな導入効果を生んだ事例がある。鈴木社長は、「これまでのサプライチェーンマネジメントは、効率的な生産によるコスト削減だった。当社のソリューションは、製造と小売りとの情報連携による利益率の改善に貢献する」とアピールする。
「S&OP」は、事業計画と製品計画、需要を連携させることで、グローバル規模でサプライチェーンをマネジメントするというもの。韓国LGエレクトロニクスは、主要顧客に対する販売計画精度を58%から68%に改善したほか、新商品の投入決定から実際の投入までの時間を40%削減した。
「プライシング&レベニューマネジメント」は、サービス産業を主な対象に、販売価格の最適化や収益の管理で売り上げを最大化するというもの。米コンチネンタル航空貨物は、「JDA Cargo Revenue Optimizer」の導入で、年間100万ドル以上の収益増を達成し、需要予測の精度も10%は改善すると見積もっている。「コスト削減ではなく、収益を最大化することに大きな特徴がある」(鈴木社長)という。
JDAソフトウェアグループは、2014年度(12月期)までに、日本を含むアジア・パシフィック地域が占める売り上げを20%に引き上げる計画を打ち出している。鈴木社長は、「国内市場は新興国に比べれば成熟期を迎えているが、アジア・パシフィック地域は十分に成長のエンジンになる」としている。(信澤健太)
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