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応研 「福祉大臣NX」シリーズで勝機をつかむ 新会計基準の特需を狙う
2011/09/15 10:37
週刊BCN 2011年09月12日vol.1398掲載
「福祉大臣NX」シリーズの機能追加バージョンの新会計基準評価版機能は、2010年に厚生労働省が発表したパブリックコメントをもとに開発した。「資金収支計算書」「事業活動計算書」「貸借対照表」「財産目録」「附属明細書」などの様式に合わせた決算書を出力したり、内部取引を消去(相殺)して決算書を出力したりできるのが特徴となっている。中村和人・企画販促室主任は、「早い時期にパブリックコメントに対応した。すでにたくさんの引き合いがある」とアピールする。
新会計基準の強制適用となる2015年4月1日までの間に、「福祉大臣NX」を1000法人に販売することを目標に掲げる。もともと同社は、本社を置く九州地方のほか、首都圏や東海地方に比較的強い。一方で、北陸地方など日本海側の地域を弱みとしている。こうした導入実績が乏しい地域の開拓を進める。
ただし、新会計基準の強制適用時期が2015年に延長されたため、「競合他社に機能面などでキャッチアップされる恐れがある」(中村主任)と懸念する。大手法人を中心に導入時期がずれ込む可能性もある。
原田社長は、昨年11月、「2011年は社会福祉法人からの特需を見込んでいる。来年下半期から案件が活発化していくだろう。こうした商機を逃さず、守りから攻めに転じるつもりだ」という内容を、“新年の抱負”として語った。
新会計基準の適用時期が延期になるという想定外の事態が起きたものの、「福祉大臣NX」は、同社が大きく期待する商材。引き合いのあった案件を着実に刈り取っていく考えだ。(信澤健太)
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