ニュース
日立製作所 大量データ処理ビジネスに本腰 「Hadoop」活用、東大との共同開発も
2011/09/08 10:37
週刊BCN 2011年09月05日vol.1397掲載
ユーザー企業・団体は、モバイル機器や高速無線通信の普及に伴い、情報システムやウェブサイトのアクセスログなど、「従来以上に大量のデータを蓄積し、高速処理・分析する情報システムが求められる」(山口俊朗ソフトウェア事業部 大量データ処理ビジネス推進室 担当部長)という状況だ。日立はこの点に着眼した。従来の情報システムでは、データの処理に膨大な時間がかかったり、システム構築に多額な費用が必要だったりする。そこで、大量のデータを処理するためのソリューションメニューを体系化することで、先の需要に応えようとしているのだ。
データの高速処理に長けているOSSの「Hadoop」を活用したソリューションや、大量データの活用方法からそれに適したシステムの選定、構築までをサポートする「大量データ分散処理アセスメントサービス」などを用意した。また2010年からは、東京大学と協業し、従来のデータベースと比較して約800倍という新たなデータベースエンジンの開発にも着手。12年度(13年3月期)の事業化に向けて準備を進めている。
大量のデータ処理システムのニーズは、現在は社会インフラを構築する企業や、一部の超大手企業に限られるが、将来的には中堅企業などにも拡大するとみて、製品・サービスの拡充を急いでいる。(木村剛士)
- 1